ソニーは9月3日、電子書籍端末「Reader」の新モデル「PRS-T2」を発表した。発売は9月21日。6インチ(600×800ドット)のE Ink社の電子ペーパー「Pearl」を採用したもので、16階調グレースケール。
2011年に発表された「PRS-T1」の後継モデルで、ページ送りの際の白黒反転を改善し、よりスムーズになった。前ページで表示されていた文字の残像を抑える独自のアルゴリズムを用いることにより、小説などの文字が多い本であれば、最大15ページに1回のページ反転で済むという。koboやKindleよりもよりスムーズにページを表示できるとしている。なお、ページを切り替えなくても10分に1回は反転する。
バッテリ持続時間は、ワイヤレスをオフの状態で約1分/1ページでテキスト(XMDF)を1日約30分間読書した場合、2カ月。
サイズは横110mm×縦173mm×厚さ9.1mm、重さは約164g。PRS-T1とサイズはほとんど同じだが4g軽くなった。さらにデザインを一新し、ディスプレイの真下にメニューボタンを配置することで、操作性を上げたという。「SONY」ロゴはディスプレイの上部に付く。今回のモデルにイヤホン端子は付かない。
さらに、別の端末で続きのページから読める同期機能を搭載した。現時点ではPRS-T2同士の同期のみに対応するが、秋に提供予定のAndroid向け新アプリケーションを用いれば、Android端末でも同期できるようになる。
また、新たにFacebookとEvernoteに対応。Facebookで友だちとお気に入りの本の感想や情報を簡単に共有することや、あらかじめ「Evernote Clearly」などを使ってブログやニュースなどをEvernoteに保存しておけば、移動時間にReaderで読むことができる。
今回注目すべきは、希望小売価格が9980円という点だ。2011年のPRS-T1発売当時、約2万円前後で販売されていた。なお、これに伴い従来モデルの販売価格(オープン)が見直され、Wi-Fi/3Gモデル「PRS-G1」の市場想定売価は約1万5000円。PRS-T1は約9000円、5インチモデルの「PRS-350」は約8000円程度となる見通し。PRS-T1は継続モデルだが、その他は在庫のみで終了になる。イヤホン端子付きが欲しい人は、従来モデルを検討してもいいだろう。
なお、同社の電子書籍ストア「Reader Store」の取り扱い点数は約6万3600冊。内訳は、書籍が約3万9200冊、コミックが約2万2400冊、雑誌が約2000冊となっている。今後は限定配信コンテンツとして9月14日に「CREA eats 東京激旨カレー30 店!」、「glee ダンス&ソングブック」を9月28日に配信するほか、先行配信コンテンツとして「幕末あどれさん」を9月28日に予定している。このほかにも、月刊「文藝春秋」を9月10日から配信スタートするなど、さらにラインアップを拡充する。
コンテンツ管理を行うPC用アプリケーション「eBook Transfer for Reader Ver.3.0」を9月11日より提供開始する。新たにホーム画面を追加し、書籍を購入できるストアへのリンクや書籍の管理するボタンなど、よく使用する機能を集約。Reader Storeから自分好みの本を探し、購入・ダウンロードや、PCに保存されているファイルを“Reader”に転送できる。
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