カリフォルニア州マウンテンビュー発--年に2度、ベンチャーキャピタリストにとって世界で最も重要な中心地であるサンドヒルロードが空っぽになる日がある。ベンチャーキャピタリストが全員いなくなるのは、休暇のためではない。Y Combinator Demo Dayのためだ。
米国時間8月21日、当地のコンピュータ歴史博物館には、テクノロジ投資業界の中心にいる人々が再び集まり、Y Combinatorのサマークラスに参加した74社がこの夏じゅうに取り組んできたことについて、直接詳しい話を聞いた。
このDemo Dayに限ったことではないが、外れも多かった。しかし、世界で最も重要なテクノロジインキュベーターであるというY Combinatorの評判や、AirbnbやBump、Dropbox、Redditなどの勝ち組を見つけ出したというY Combinatorのこれまでの成果、そして参加企業が手にする17万ドルあまりの金額を考えると、これはヒットだと思えるような企業も数多くあった。
最後に登場したグループはすべて非公開で、その中には非常に有望なテクノロジもいくつかあったのだが、公開できる企業の中で最も印象的だったのはDouble Roboticsだろう。同社は、自らが「『iPad』用の車輪」と呼ぶ、2000ドルのテレプレゼンスロボット(下の動画を参照)を紹介し、「Segway」とApple製タブレットの融合のようなものだとして宣伝している。
このロボットは、不動産業から高齢者介護、新卒者採用にいたるまで、さまざまな潜在市場に向けて作られている。走り回る際には、高機能なジャイロスコープと加速度計が組み合わされて使われ、押されてもバランスを保つことができる。また、このロボットのiPadをほかの場所にある別のiPadに接続すると、ビデオチャットができる。最高経営責任者(CEO)のDavid Cann氏によると、狭い場所でも動けるように横幅が非常に狭くなっており、AnybotsやWillow Garageといった企業の競合するテレプレゼンスロボットよりもかなり安価だという。
Double Roboticsは、人々がこのロボットを、体の不自由な親の様子を確認するといったことに使うと予想しているが、Cann氏は、同社が将来のいずれかの時点でソフトウェア開発キットを公開した場合に、サードパーティーの開発者がもっと面白い利用法を考案するのではないかと語っている。
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