ドワンゴは7月18日、六本木のライブハウス「ニコファーレ」で記者発表会を開き、ニコニコ超会議の最終赤字額を報告したほか、日本全国の地方の町で開催する「ニコニコ町会議」の概要を発表した。
4月28日~29日に幕張メッセで開催された巨大フェス「ニコニコ超会議」。2日間の来場者数は9万2384人、ネット来場者数は347万766人を記録するなど、盛況のまま幕を閉じたが、最終的には4億7081万25円の赤字となってしまった。
ドワンゴ会長の川上量生氏は超会議の赤字について、「一番大きかったのは僕らがこういうイベントをやるのが初めてだったので、どれくらいお金をかけたらどれくらいのものができるかを把握してなかった。それでもできるだろうと進めていたが、こんなイベントを開催してもしょうがないだろうというものになってしまった。そこで、成功するためには、これも必要だろう、あれも必要だろうと追加していき、こういう結果になってしまった。次回からはもう少し計画性を持って出来ると思う」と振り返る。
大赤字となったニコニコ超会議だが、同社は2013年にも、今年と同じ4月28日~29日に幕張メッセで「ニコニコ超会議 2」を開催する予定だという。ドワンゴ取締役の夏野剛氏は「私どもはこれに懲りず、今度はもう少しましな形で多分(ニコニコ超会議)2を開催させていただく」とコメント。赤字を避けるために、スポンサー企業を募りたいとした。
7月29日から開催される「ニコニコ町会議 全国ツアー2012」の詳細も明かされた。ニコニコ町会議は、ニコニコ超会議の「町」版として開催されるイベントで、日本の地方の町で開催するniconicoの「移動式文化祭」という位置づけだ。
事前に各地方のユーザーから開催希望町を募集したところ4400通の応募があり、その中から5箇所の町を選定したという。ニコニコ町会議では、各町恒例の夏祭りなどと連携し、その模様をニコニコ生放送で配信する。また、各地でniconicoの新サービスも発表される予定だ。
選ばれた町(祭り)は、鳥取県 八頭町「きらめき祭」(7月29日)、佐賀県 唐津市呼子町「水光呼子港まつり」(8月5日)、北海道 長万部町「飯生神社例大祭」(8月11日)、福島県 三春町「三春盆踊り」(8月16日)、東京都 八丈島「離島甲子園」(8月30日)の5箇所。
各町の会場では、ニコニコ超会議で人気を博したコンテンツを再現するほか、地方ごとの特色ある屋台や、地域ユーザーによる即売会などを実施。方言レッスンや町長による地元PRコーナー、地元名産品のグルメショッピングなども展開するという。
夏野氏は「(ニコニコ動画の)一般化をこれからどんどん推し進めたい。日本におけるネットビジネスの一般化というのは、『地方』と『高齢』だと思う。同時解決というのが今回のテーマ。ほとんどの町の人はニコ動を知らなかったと思う。これでいままでの祭りの倍(お客が)入ったということになると、来年は絶対やるぞという話になるのでは」と期待を寄せる。
なお、ニコニコ町会議は基本的に参加無料となるため「黒字になりようがない」(川上氏)そうだが、ワゴン車(ニコニコカー)で回るため「金額は微々たるもの」(夏野氏)だという。
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