「米国はソフトウェア特許システムを捨てるときなのか?」:グーグル幹部が語る

Declan McCullagh (CNET News) 翻訳校正: 編集部2012年08月21日 11時32分

 コロラド州アスペン発--Googleは米国時間8月20日、米国がソフトウェア特許を捨てるときが来たのかもしれないことを示唆した。

Googleのパブリックポリシー担当ディレクターPablo Chavez氏
Googleのパブリックポリシー担当ディレクターPablo Chavez氏
提供:Declan McCullagh/CNET

 Googleのパブリックポリシー担当ディレクターであるPablo Chavez氏は、「われわれが非常に真剣に検討している1つのことは、ソフトウェア特許の問題、そして、実際のところ現状の特許システムは革新を刺激し、消費者のためになるポリシーを真に促進するのに適したシステムなのだろうか、ということだ」と述べた。

 20日午前に当地で開催されたTechnology Policy InstituteのカンファレンスでのChavez氏の発言は、Oracle(Googleが勝訴)やApple(今も係争中)などを相手にしたソフトウェア特許が絡む一連の訴訟にGoogleが巻き込まれる中において、飛び出したものだ。

 テクノロジの世界において、ソフトウェア特許が論議を呼ぶことが増えている。「パテントトロール」と揶揄される行為が増加していることや、米国政府が認可した特許の質にばらつきがあることが、その理由の一部だ。Twitterは4月、テクノロジ企業向けのヒポクラテスの誓詞のようなものを発表し、同社の特許はライバルが革新を行うのを阻止するためではなく、自衛的な目的のためだけに利用されると述べた。

 News Corp.の政府問題担当シニアバイスプレジデントであるRick Lane氏から質問を受けたChavez氏は、「これらの特許戦争は消費者にとって有益なものではない、とわれわれは考えている」と述べ、「それは市場にとっても有益でない。それは革新にとっても有益でない」と続けた。

 Googleは過去にもソフトウェア特許を批判したことがある。同社は2011年夏、ソフトウェア特許は「革新によって生まれたものを台無しにしている」と述べた。2009年にGoogleやMetlife、Bank of America、Morgan Stanleyなどが署名し、米最高裁判所に提出した弁論趣意書(PDF)には次のように書かれている。

 抽象的なアイデア、例えば、企業の経営方法や単にそうした方法を実装するだけのソフトウェアなどに関する特許が昨今において急増していることは、金融サービスやIT分野における革新の促進につながっていない。それどころか、そうした特許は革新を停滞させている。

 ソフトウェア特許は医学などの分野の特許と区別することが可能だ、とChavez氏は述べた。「医学業界とソフトウェア業界の間には多くの構造的な違い」がある、と同氏は話した。「それを念頭に置いて、われわれはより長期的なソリューションを考えるブレインストーミングを開始している」(同氏)。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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