サンフランシスコの米連邦地方裁判所のRichard Seeborg判事は米国時間8月17日、Facebookの「Sponsored Stories」(スポンサー記事)機能に関する集団訴訟の和解案を却下した。同訴訟において原告はFacebookが、製品やサービスに対して「Like」(いいね!)ボタンのクリックで表明されたユーザーの「嗜好」をそのユーザーの友達に公開したものの、対価を支払うことなく、またオプトアウトの方法も提供しなかったと主張していた。
Wiredの報道によると、2日にSponsored Storiesに関する訴訟の和解内容について疑念を表明していた同判事は17日、「深刻な懸念」を抱いているとしてこの和解案を却下したという。また同判事は、Facebookによって支払われる和解金額の決定方法について特に疑問を呈したという。
この和解案によるとFacebookは、ユーザーが自らの嗜好の取り扱われ方をより詳細に制御できるようにするとともに、18歳未満のユーザーがSponsored Storiesからオプトアウトできるようにするとされていた。
また同和解案ではFacebookに対して、原告側の弁護士に1000万ドルを支払い、オンライン上でのプライバシー保護に積極的に取り組んでいる電子フロンティア財団(EFF)といった非営利団体に1000万ドルを支払うことも求めていた。
しかしFacebookは、Sponsored Storiesに対するユーザーによる新たな制御機能の導入により、広告収入が1億2500万ドル近く減少することになると主張していた。この主張によりSeeborg判事は、Sponsored Stories機能(および、この機能の使用を余儀なくされているユーザー)によって少なくともそれだけの収入が得られていたというのであれば、Facebookはどのようにして2000万ドルという和解金額を導き出したのか、そしてそれ以外の金額にならないのかという疑問を抱いたというわけだ。
Wiredの報道によると、Seeborg判事は原告団の弁護士が「『原告団にとって価値あるものを安値で手放してしまった』可能性がある」という懸念とともに、和解金額が「安易に導き出された」のではないかという懸念を記しているという。またReutersの報道によると、同判事はこの訴訟の担当弁護士に対して、Facebookユーザーへの金銭的補償がゼロである理由を説明するようにも求めているという。さらにこの報道では、同判事がFacebookや、この訴訟にかかわっている弁護士陣に対して、こういった懸念の解消に向けて和解案を修正してもよいと述べたと伝えている。
ReutersはFacebookの関係者による声明を引用し、「この和解案は公正なものであり、理に適っており、適切だというわれわれの考えに変わりはない」、また「われわれは裁判所の指導に感謝しており、命令のなかで挙げられた懸念の解消に向けて取り組んでいく所存である」と伝えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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