石橋氏:今取り組んでいるのは、最初の登録をスキップできる機能とか、もともとできたのですが起動時の画面設定とかGPSのオンオフを設定する方法をもっとわかりやすくしようと思っています(※Android版は更新済み)。アップルは申請してから2週間ぐらいかかるので、8月中ぐらいにはリリースできるといいなと思っています。
石橋氏:今世の中にある天気予報のアプリというのは、演出の部分での差別化で中身の情報に関しては同じだと思うんですよ。それはテレビでも同じで、基本的には気象庁なりで買ったデータをいかに加工や演出を加えて見せていくかという違い。
でも、我々はそれをずっと知っていたので、ピンポイント天気とか独自の解析による天気予測を作って他には負けない精度のもので勝負してきたんです。とは言いながらも、もとはアメダスの実況値だとかそういうのものを計算して出しているプロセスそのものは変わっていなくて、今はじめて体感とか人が感じたセンサをもとに予報する方法を開発してるところなんです。
ゲリラ雷雨のリポートがまさにそれです。以前、気象庁が公の場でゲリラ雷雨のような局地的なものは今の技術では予測が無理ですと言ったことがありますが、われわれはそれを聞いてみんながリポートして解析すればできるはずだと思いました。
それで2008年から始めて5年目になるのですが、今都内だと予測精度は90%以上なんです。それまで天気予報はコンピュータに全部アウトソースしてたようなものだったのですが、今ここに来てケータイがあって初めて人が人の手で天気予報をつくっていくことが可能になりました。
そういった意味では、今天気予報そのものが変わるタイミングになっていると思います。それを進めていくのは、天気予報をみんなでつくるという言いだしっぺである我々の役割なのかなと思っています。
競合というふうに見ようと思えばそう見えるんですが、我々は天気だけで事業をしている会社なので、人類のイノベーションというのを気象に対して取り組んでいかなければならないと思っているんです。多少怒られてもそこはブレないですね。
西氏:世界には天気予報がない国があります。例えばネパールですと、気象庁はあるんですが、前日の実況を「昨日はこうでした」と発表するそうです。それは結局、観測網も情報通信網も十分に整備されてなくて、社会インフラみたいなのができていない。特にアジアの国々では情報網、観測網っていうのが非常に立ち遅れている。スマトラ沖地震のときも津波の情報が出なければ、人も逃げもしなかったのであれだけの死者をもたらしました。
そういうことがいろんな場所で起きていますが、人が情報さえを手にしてたらそんな悲劇が起きなかったのではないかと。莫大な資金を投じて観測機器を整備することができなくても、ケータイですぐ写真を撮って送る、というのであれば、もうできるのかなと思うので、そういうことに今後もチャレンジしていきたいと思っています。
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