ジョジョスマホならではの限定機能も多数搭載されている。荒木氏が描き下ろしたイラストを含む、30枚以上の壁紙をプリインストール。また画面に触れることで、ジョナサンの「波紋」や、ジャイロの「鉄球」の回転などのアクションを体験できる5つのライブ壁紙を搭載する。
ライブ壁紙で特にこだわったのが「杜王町マップ」。マップ内のアイコンにタッチすることで、第4部に登場したスポットやエピソードが体験できるというもので、計22箇所のスポットの演出が用意されているという。「もともとはGoogleマップと連携したアプリにしようとしていたのですが、最終的にはライブ壁紙になりました」(岡野氏)
カスタムテーマも6種類搭載。壁紙やアイコン、アプリトレイの背景などを丸ごと着せ替えることができる。またテーマごとのアイコンとは別に、個別に変更できるカスタマイズ用のアイコンも400点以上用意されているため、「ホーム一面をハーヴェストとかメタリカにするといった遊び方もできます」(鹿島氏)とのこと。さらに、ドコモのスマートフォンに搭載されているホームアプリ「docomo Palette UI」には第6部の主人公・徐倫をモチーフにしたデザインを採用しているという。
ホーム画面を彩るウィジェットも豊富だ。画面内をイギーの「マチキャラ」が歩き回るほか、ウェザーリポートの「天気予報」やムーディーブルースの「デジタル時計」、レッド・ホット・チリ・ペッパーの「電池残量」、ザ・ワールドの「ワールドクロック」などを自分好みに配置可能。いらなくなったアプリやウィジェットは第3部に登場するヴァニラアイスのスタンド「クリーム」がモチーフのゴミ箱に捨てることができる。
spモードメールでは、ジョジョのデコメ絵文字、デコメピクチャ、デコメテンプレートを多数用意。また「ジョジョ名台詞予測変換機能」を使えば、数々のジョジョの名台詞を即座に入力することができる。たとえば、「ぱ」と打つだけで「パンの枚数を」→「おぼえているのか?」と、流れるように入力することが可能だ。
「長いセリフは思い切って間で切っちゃうものもあります。(第5部に登場する)プロシュートの兄貴の『ブッ殺したなら使っていいッ!』というセリフがありますが、さすがに「ブッ殺した」は入れられないので、『なら使っていいッ!』になってるんですよ。それならいろいろ組み合わせて使えますよね」(鹿島氏)
ジョジョスマホならではのエンタメ機能も充実している。第3部に登場する花京院典明とテレンス・T・ダービーの魂を賭けた名勝負を体験できるカーレースゲーム「F-MEGA」をアプリで完全再現。
4つボタンのコントローラーや、パワーゲージ、コマンド入力なども原作に忠実に作られている。ジョジョスマホだけのオリジナル要素として、第3部の主人公・空条承太郎を操作したり、作中には登場しない新たなコースを走行することも可能だ。
また、写真を撮影して「アイテム」や「擬音」「集中線」などの素材を選ぶだけで、簡単にジョジョ風の写真に加工できるカメラアプリや、各機能と連動して第3~6部のボスキャラクターのスタンドが出現するメディアプレイヤーも搭載。たとえば、一時停止なら第3部のザ・ワールドが、曲のスキップなら第5部のキング・クリムゾンが登場する。
さらに、ジョジョの第1~2部を完全収録した12巻までのフルカラーコミックを読むことが可能。ファンとしては、ぜひ第3部以降も収録してほしいところだが、開発時点でカラー版が作られていたのが12巻までだったこと、またファイル容量が膨大になってしまうなどの事情もあり、第2部までの収録になったそうだ。なお、第3部以降はドコモの「BOOKストア」でダウンロード購入することもできる。
ジョジョスマホは、デザインから機能にいたる隅々まで荒木氏が監修しており、同氏のこだわりが随所に反映されているという。
「待ち受け画面とアプリとの親和性など全体のバランスはかなり気にされていましたね。イラストとアイコンの違いがしっかりわかるようにと。あとはたとえば、レッド・ホット・チリ・ペッパーの『電池残量』ウィジェットは、中に数字が書いてあるので、当初は常に明るくしていたのですが、一目見て残量が減っていることが分かるように、少しずつ暗くしてほしいといった、細かい指示もしていただきました」(許氏)
ファンも納得の機能が満載のジョジョスマホだが、鹿島氏の初期構想ノートには、実現にはいたらなかったさまざまなアイデアが書き留められていたという。たとえば、ジョセフのハーミットパープルを使ったナビアプリや、ナランチャのエアロスミスで二酸化炭素を検知する混雑センサーなどだ。
「初期ノートには、トニオのレシピなんかも案としてありました。作中に出てくる料理は当然ですが、以前東大で荒木先生の奥さんの講演会があって、そこで上映された荒木先生がパスタを作る映像なんかも、そのまま入れたいなと思ってましたね」(鹿島氏)
スタンド図鑑を搭載するアイデアもあったが最終的には見送ることになったそうだ。「(イラスト集)『JOJO A-GO!GO!』にスタンド図鑑がついているのですが、あそこに収録されているのは5部までなので6部から後がありません。そこで、6部以降はコミックの途中に差し込まれているコマをピックアップして合成して作ろうかという案もあったのですが、ファンはほとんどJOJO A-GO!GO!を持っているので、同じ物が入っていてもあまり嬉しくないだろうと。実際に作る大変さとニーズを考えると諦めることになりました」(岡野氏)
これらの膨大なアイデアの中から厳選された機能のみが、ジョジョスマホに搭載されているというわけだ。ここでは紹介できないが、隠し機能も2つほど搭載されているそうなので、ぜひ自身の目で確かめてほしい。
これだけの完成度を誇りながら、なぜ販売台数を1万5000台(エヴァスマホは3万台)に限定したのだろうか。
「僕らはもっとたくさん作りたかったのですが、コラボモデルに関しては毎回販売部門が台数を決めるため、当初は売れないだろうということで5000台と言われたんですよ。コラボモデルはいつも大体3万台くらいなのですが、何台売れるか分からないだろうということで、僕らがやっとのことで押し込めたのが1万5000台。ファンの方々、恨むならうちの販売部門を恨んでください(笑)」(岡野氏)
いよいよ8月18日から予約が開始されるジョジョスマホだが、たとえ開発チームであっても端末を優先的に購入することはできないのだという。鹿島氏は「いま使っている端末も評価用で借りてるだけで最後は没収されちゃうんです。何とかならないですかね」と悔しさをにじませていた。当日は岡野氏や鹿島氏もオープン前から店舗に並ぶそうなので、どこかのショップで偶然出会えるかもしれない。「みなさん朝から一緒に並びましょう!」(鹿島氏)
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