人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の連載25周年を記念した「荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展」が仙台と東京で開催されること受け、7月5日に都内で記者発表会が開かれた。会場には原作者の荒木飛呂彦氏も出席し、ジョジョが25周年を迎えた喜びや、ジョジョ展への想いを語った。また発表会の模様はYouTubeを通じて全世界に生中継された。
2011年の荒木氏の画業30周年と、2012年のジョジョ連載25周年を記念し、2011年4月から2012年の2年間にわたって、ジョジョに関連したさまざまな企画が進行しており、今回のジョジョ展もその一環となる。最近ではNTTドコモの夏モデルとして、ジョジョとコラボしたスマートフォン「L-06D JOJO」が発表されて話題となった。
ジョジョ展は、荒木氏の30年にわたる執筆活動を記念して開催される原画展。第1~8部のほか、ジョジョ以前のすべての作品も含めた、膨大な数の中から選ばれた原画を展示するという。また、ジョジョの世界観を体感できるさまざまな造形物も用意しているそうだ。
発表会で挨拶した荒木氏は、ジョジョ展の開催について「漫画家というのは普段、仕事場に閉じこもっていて、描く絵も印刷していただいたものを読者や皆さまに評価していただくことを基準に描いている。しかし原画にはそれとは違う、演劇や音楽などにあるライブ感のようなものが封じ込められていると確信している。それを今回、読者の皆さまや一般の方に観ていただけるのは本当に光栄ですし、自分自身感激している」と喜びを語る。
まず7月28日~8月14日まで、仙台市のせんだいメディアテークで「荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展 in S 市杜王町」が開催され、その後、10月6日~11月4日まで、六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで「荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展」が開催される。
開催地に仙台が選ばれた理由としては、仙台は荒木氏の出身地であり、ジョジョ第4部と第8部の舞台である「杜王町」ゆかりの街であること。また東日本大震災からの復興に向けて、東北を盛り上げていきたいという仙台市の想いに、荒木氏が応えたことで実現したという。
仙台展では、第4部と第8部の特別コーナーを設けるなど杜王町にフィーチャーした構成となる。また、展示空間も白を基調とした演出になっており、黒を基調とした東京展とはひと味違った内容になるという。さらに、仙台展でしか購入できない限定商品なども販売する。
また、大日本印刷のAR技術を使って、iPadをかざすことで不思議な体験ができる「ジョジョの奇妙な杜王町 MAP」や、スタンドをバーチャルに再現する「ジョジョの奇妙なスタンド体験」など、来場者を楽しませる仕掛けも用意している。
25周年企画では、インタラクティブメディアパートナーであるGoogleの技術を使って、作品とファンをつなく取り組みも展開していく。6月7日にはSNS「Google+」にジョジョの公式ページが開設されたほか、荒木氏が監修したGoogleをイメージした遠隔操作型のスタンド「リモートロマンス」を使った企画なども進行している。
イタリアのファッションブランド「Gucci」の創設90周年を記念して、2011年にはグッチ新宿で原画展「岸辺露伴 新宿へ行く」を開いたり、ファッション誌「SPUR」にGucciをテーマにした作品を掲載するなど、同社とさまざまなコラボをしてきたジョジョ。今度はイタリア・フィレンツェのミュージアム「GUCCI MUSEO」に、荒木氏の作品が展示されるという。開催日や詳細は後日発表する予定。
そのほか、荒木氏がサインをしたGucciのスニーカーなど4点を販売するチャリティーオークションや、ジョジョのTVアニメ化、PS3でのゲーム化など、さまざまな企画が進行中であることも明かされた。
発表会の後半には荒木氏への質疑応答も行われた。ここではメディアの質問に加えて、Google+で募集されたファンからの質問にも荒木氏が答えている。
現在52歳の荒木氏は、いくつになっても若々しいその容姿から、ファンの間では「(第1部に登場する)波紋の使い手か」と噂されることも多い。若さを保つ秘訣について聞かれた荒木氏は「最近の質問ナンバーワンはそれです。よくわからないですけど、東京都の水道水で毎日顔を洗っています。ほんとに、特に何もしていません」とコメントし、会場は笑いに包まれた。
また長期連載を可能にしている理由については、「こち亀の秋本先生が、僕が新人の頃に規則正しい生活をなさっていると聞いた。その時まで漫画家というのは徹夜してヘロヘロになって締め切りに追われているというイメージがあったが、それ以来徹夜などをなるべくしない生活にした」と語る。
「1番思い入れのあるバトルは?」という質問に対しては、「僕が一番好きなスタンドは(第4部に登場する)ハーヴェストというお金を集めてくるスタンド。バトルだったらやっぱり(第3部の)ディオと承太郎とかは思い出深いです」と振り返った。
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