Googleが旅行ガイドを提供するFrommer'sをJohn Wiley & Sonsから買収する。Frommer'sの買収にあたってGoogleが計画している事業については明らかにされておらず、買収金額についても明かされていない。
Wileyは2012年に入って、旅行ガイドからホテルランキングまであらゆるサービスを提供しているFrommer'sを売却予定であると発表したが、可能性のある買収先企業を念頭に置いているわけではないとしていた。
GoogleがFrommer'sの買収に乗り出したことはそれほど意外なことではない。Googleはここ数年間、旅行ソフトウェア企業のITAやレストラン評価サービスのZagatを買収し、旅行関連サービスを強力に押し出してきている。おそらく、Frommer'sがZagatの買収に続く延長線上にあることは当然といえるだろう。
Googleの広報担当は米CNETに対し、電子メールによる声明で次のように伝えた。「Frommer'sチーム、そして同社コンテンツの品質とサービス範囲は、Zagatチームを大きく補強するだろう。世界のあらゆる関連性の高い場所を評価するという目的において、Frommer'sチームとともに取り組みを始められることが待ち遠しい」
Frommer'sの事業は長い間、紙媒体の旅行ガイドを主軸としてきた。Zagatの管理ディレクターを務めるBernardo Hernandez氏を取材したThe Wall Street Journalによると、Google側はFrommer'sが旅行ガイドの出版を継続するのか、オンライン提供に全面的に切り替えるのかについて把握していないという。
現時点で大きな疑問符が付くのは、Frommer'sの買収契約の報道を受けて、旅行業界でGoogleに対抗する競合他社がどのような反応を示すかということだ。検索企業のGoogleが、Expediaなど、多くのオンライン旅行プランナーにサービスを提供しているITA Softwareの買収計画を発表した際には、それを受けてGoogleの参入を危惧する批判者らが、同社が検索とITAのサービスを活用し、競合する事業を脅かすようになると異議を申し立てた。2011年10月、裁判所は、この合意に対して、7億ドル規模の買収を認めるに足りる十分な予防措置が盛り込まれているとの判断を最終的に下している。
Wileyの広報担当は米CNETに対し、電子メールによる声明で「このような著名なプログラムに最もふさわしい所属先を探し、その構築を支援した多くの同僚たちのために機会を見つけることは、われわれが買収先を選定する際の基準の上位に位置づけられていた。われわれは、Googleが非常に適していると考えている」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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