リスクを回避する最も重要な方法、それは従業員皆一律にルールを遵守することです。そして脱線という事態を生まないためには、脱線しない人材を採用することに尽きるでしょう。次にその点を見ていきましょう。
脱線の悪影響を最小に抑える最善の方法は、最初からそれを避けることです。悪質なリーダーが1人いるだけで、企業は崩壊してしまう恐れがあります。CEOや重役の候補者を採用する際は、人事担当者は、できる限りたくさんのリーダーシップ評価ツールを使い、最も精神的に健全な候補者を選ばなければなりません。現在、ほとんどの面接で候補者は、スキルや資格といった「セレクトイン基準」で評価され、行動傾向や心理傾向などの「セレクトアウト基準5」では評価されません。
(注釈)セレクトイン基準:業務を行う上で理想的な性格特性やスキルなどを持つ人を特定するための評価基準。セレクトアウト基準:現在及び過去の精神異常や今後精神障害になる可能性を特定するための医学的基準。
面接官は、最も優れた候補者を選ぶことに意識を集中させる傾向にあり、脱線する可能性を示唆する人を拒絶することに意識を持って行く人はいません。この優先順位を反対にして下さい。重役候補者を精査し、彼らの今までの功績や能力だけを見るのではなく、害を及ぼす可能性のある性格特性を見つけて下さい。
また、彼らの有害な性質について正当に報告を得るためにも、あらかじめ彼らを良く知る人物に話を聞くなどして調べておきましよう。重役や人事担当者がこのような事前調査の手を抜けば、その組織はやがて問題を抱えることになります。
採用の絶対条件として不採用の絶対条件を徹底的にあぶり出すことにあると思います。一人のリーダーが厄介であるがために企業に与える損失は計り知れないものであると考えたとき、まずは、脱線しない人物、次にリカバリの効く人物というように優位性など、きちんと考慮した採用方法を取り入れてみることも良策の一つだと思います。
また、資格やスキルの評価も大切ですが行動傾向や心理傾向を評価対象とすることが重要な課題でもあると言えます。
そして、この採用という最も重要な段階が企業の未来を決定するといっても過言ではないと考えられるため、本書にあるリーダーの特性を良く知り慎重に慎重を重ね、採用における氷山の一角ほどの難関をクリアした狂いのない人物を採用することこそが、企業の未来を発展させる最短の方法だと思います。
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