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組織に潜む厄介なリーダー

エグゼクティブブックサマリー2012年08月22日 10時00分
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この記事は海外のベストセラー書籍を日本語化して配信するサービス「エグゼクティブブックサマリー」の抜粋です。

今回は『組織に潜む厄介なリーダー~「脱線」してしまうリーダーとその原因~』(The Elephant in the Boardroom : The Causes of Leadership Derailment)をご紹介します。この要約書で学べることは、「脱線」する恐れのある、精神障害のあるリーダーや意地悪なリーダーを見つける方法、悪意のあるリーダーへの対処法、問題を抱えたリーダーを雇用しないようにする方法です。


3分間で理解する本書の要点

  • 精神障害のある破壊的なリーダーは、多くの場合失敗し、組織に大きなダメージを与える
  • 「有毒なリーダー」は、「悪い」、「残念な」、「精神障害のある」リーダーである
  • 有毒なリーダーは、有毒な部下や有毒な環境に囲まれて生まれる
  • 最もよく見られる有毒なリーダーは3種類存在し、その要素は「暗黒の三要素」と呼ばれる。その三要素とは、「精神病質」、「ナルシシズム」そして「策略的性格」である
  • 統合失調症性パーソナリティ障害、受動攻撃性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害、境界性パーソナリティ障害、回避性パーソナリティ障害、依存症人格障害、自己破滅的な性格、加虐性人格障害、反社会性人格障害、破壊的な性格を持つリーダーにも気を付けること
  • 無能な人、悪意のある人、横暴な人、あるいは、単に賢くない人は雇わないこと
  • 人選や採用プロセスで手を抜くと、精神的に問題のあるリーダーを雇ってしまう
  • 人事担当者が、リーダーの候補者の精神的問題を調べることは滅多にない
  • 個人の知能は、ビジネスでの成功の可能性を最も確実に予測できる要素である。しかし、雇用する上級管理者の知能をテストする雇用主はほとんどいない
  • 環境に適応できないリーダーを抑制する最善の策は、企業統治を強固にすることである

本書の推薦コメント

『組織に潜む厄介なリーダー~「脱線」してしまうリーダーとその原因~』
『組織に潜む厄介なリーダー~「脱線」してしまうリーダーとその原因~』

 心理学教授であるエイドリアン・ファーナムは、性質の悪いリーダーを分析し、彼らの好ましくない性格を検証し、従業員と会社を道連れにするような破滅がなぜ起こるのか、説明しています。また、様々なタイプのリーダーを検証した何百人もの研究者の研究結果をまとめています。リーダーのタイプには、環境に適応できないリーダー、無能のリーダー、横暴なリーダー、策略的なリーダー、ナルシストなリーダー、加虐的なリーダー、暴利をむさぼるリーダー、そしてただ単に有害なリーダーなどが含まれます。本書はやや学術的ではありますが、分かりやすくまとめられています。本書を、有害な管理者を雇いたくないと思っている人や、明らかに性質の悪い上司と一緒に仕事をしなければならない人にお薦めします。

 人々は社会生活上、必ず何らかの組織に属しています。これは、目的が明確であればあるほど、属性についても具体的なものであると言えるでしょう。またビジネスの世界では、どのような企業も生産を図るため、この組織というものを通じてプロジェクト設計を行うことが基本です。そしてそこにはリーダーが存在します。

 言わば、このリーダーの存在が組織のカギを握りプロジェクトの明暗を左右するものと言っても過言ではありません。そのため、企業に於いてこのリーダーの手腕が優れている組織とそうでない組織の結果は歴然たるものと言えます。昨今では、多くの企業に於いて、組織のリーダーの質そのものが問われるという事態に陥ることが頻繁にあり、その比率を占める大きな要因は起用する側にあります。また、細かくは長年の企業の体質にあるということが分かっています。

 では、企業の体質を塗り替えるために必要なことは一体何でしょうか? また組織の中軸を担うリーダーに適正な条件とはどのようなものなのでしょうか?

 本書では組織そのものに変革をもたらすために必要な部分をリーダーというパーソナリティに焦点を当てシンプルに分かりやすく解説しています。会社組織の中で日々困惑の連続で働いている方や新たな組織革命を起こしたいと思う方に是非お薦めしたい一冊です。

悪いリーダー、残念なリーダー、そして精神障害のあるリーダー

 性質の悪いリーダーは、どの組織にも存在します。性質の悪いリーダーには、破壊的なリーダー、ひねくれたリーダー、意地の悪いリーダー、きまじめすぎるリーダー、無能なリーダー、自己中心的なリーダー、精神病質を持つリーダー、執念深いリーダーなど様々なタイプがいます。このような性質の悪いリーダーは失敗することが多く、失敗すると組織に膨大な損失を与えます。

 また、倒れる時は、本来ならば先導しなければならない組織を道連れにしてダメージを与えたり、あるいは、破壊したりすらします。では、なぜ組織はこのような性質の悪いリーダーを雇用するのでしょう? なぜ企業の役員やCEO、あるいは上級管理者は、権力のある地位につける前に彼らの破壊的な性質を見抜くことができないのでしょう?

 答えは簡単です。組織を駄目にしてしまうリーダーのほとんどが、素晴らしい経歴を持っているからです。

 多くの場合、彼らは素晴らしい成功を収めて来た経歴を持っており、カリスマ性のある、信頼してもいいと思わせる素晴らしい人物です。また、性格異常のあるリーダーの中には、その性格のおかげで出世する人もいます。彼らの場合、異常のある性格はマイナスになりません。そのため、人事担当者は彼らの精神的問題や、道義的問題、あるいは行動上の問題を見抜くことが出来ないのです。

 実際、人事担当者は通常、候補者の人格の否定的な面を追及しようとはしません。ましてや、精神的な問題など見ようともしません。その代わりに、候補者の経験や能力、今まで達成して来たことを重点的にチェックします。

 組織をダメにするようなリーダーは、候補者として「度が過ぎるほど優秀」であることがよくあります。肯定的な性質を持っていても、度が過ぎればその優秀さも「ありがた迷惑」になってしまう恐れがあります。例えば、きちょうめんなリーダーは部下を細かい所までコントロールするようになる場合がありますし、慎重なリーダーは偏執的になる場合があります。

 危険な行動を取るリーダーは、「有毒なリーダー」です。有毒なリーダーは大まかに次の3つのカテゴリーに分けることが出来ます。1つ目は「残念なリーダー」です。残念なリーダーは、能力が低く、役割を全うすることができません。また、適切な判断を下すことができず、誤った判断を下してしまいます。2つ目は「悪いリーダー」です。悪いリーダーは意地が悪く、部下や同僚につらく当たります。最後は「精神障害のあるリーダー」です。精神障害のあるリーダーは精神的に不安定で、例えば、柔軟性が全く無かったり、乱暴をしたり、無神経だったり、偏狭だったり、不道徳だったりします。

 行動科学の分野では、有害で役に立たないリーダーを、例えば次のように説明しています。

 会社組織においては、リーダーの華麗なる経歴が逆に仇となるようです。知らず知らずのうちに社内に定着した一方通行とも思える過度な指示など、かえって部下のやる気を下げ、悪影響を及ぼすこととなります。

 次にその理由となる特性を詳しく見ていきましょう。

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