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KDDI、3D医用画像をクラウド処理する「国内初」のソリューション

藤井涼 (編集部)2012年08月02日 16時56分
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 KDDIと米TeraReconは8月2日、クラウド上で3D医用画像をリアルタイムに処理・閲覧できる「リアルタイム 3D 医用画像ソリューション」を、8月3日から医療機関向けに提供することを発表した。

 TeraReconの大規模配信型3D医用画像ソリューションを、「KDDIクラウドプラットフォームサービス」上に構築し、高速でセキュアなネットワーク経由でサーバに接続することで、病院内のサーバ運用と同等のリアルタイムな処理や閲覧が可能になる。

 3D医用画像は、X線CTやMRIで撮影された2D(2次元)画像を約2000枚組み合わせて立体化させた画像のこと。断面では認識しずらい体内の構造を視覚化できるため、各種診断や外科治療の重要な情報源になるという。ただし、1つの画像につき1Gバイト(約2000枚の場合)と非常に大容量なのだという。

  • 「リアルタイム 3D 医用画像ソリューション」

  • ソリューションの概要

  • KDDIの法人向けソリューション

 現状は、TeraReconのオンプレミスの院内サーバに、2D画像を配信して3D医用画像を制作しているが、このサービスを使うことで、KDDIのクラウドサーバ上で、立体画像処理を行えるようになる。KDDIソリューション営業本部 副本部長の那谷雅敏氏は、「よく医療画像の保存と間違えられることがあるが、実際にここで2次元画像の処理自体を行っている。これは国内では初」と強調する。

 那谷氏よれば、日本の医療機関には、外出先でも情報を見たい、院内データを外部でセキュアに保存したい、医療機器の保守を外部に任せたい、コストを下げたいといったニーズがあり、最近では「特に医療クラウドへの期待が高まってきている」という。

  • KDDIソリューション営業本部 副本部長の那谷雅敏氏

 一方で、医療現場でのクラウド利用にあたり、満足なパフォーマンスは出るのか、信頼できるクラウド設備なのか、セキュリティは担保されるのか、といった不安を持っていると話し、KDDIの法人向けソリューションを活用することで、これらの不安を払拭できると説明する。

 まず、導入コストについては、大規模な初期投資が不要になるほか、院内におけるサーバ設置場所や空調コストも削減できる。運用保守は、クラウド側で行うため保守コストの削減が可能。最新機能へのバージョンアップもクラウド側で対応する。

 また、高品質な閉域網と病院ごとの専用サーバを構築することで、病院グループ間でセキュアに3D医用画像を共有できると話す。非常時には、院外からスマートフォンやタブレット端末でアクセスすることも可能。こちらもネット網ではなくKDDIのWiMAX網を利用するため、セキュリティも確保できるとしている。

  • 米TeraReconのPresident&CEOであるロバート・テイラー氏

 米TeraReconのPresident&CEOであるロバート・テイラー氏は、「TeraReconは2010年に世界で初めてパブリッククラウド型の3D画像配信サービスを開始した。日本国内の医療機関は、やはりセキュリティに懸念があるということで、クラウドサービスの採用を見送る傾向にあった。今回、セキュリティと高速性を持ち合わせたKDDI Wide Area Virtual Switchを利用したクラウドサービスを開始することで、この懸念を克服できる」と協業の喜びを語る。

 ソリューションの価格は、基本構成の場合、1病院(1拠点)あたり月額50万円からを想定しており、機器を購入した場合のトータルコストと比べて、約1~2割ほどコストが削減できるとしている。なお、病院ごとに必要設備構成が異なることから、個別での見積もりとなる。

 KDDIでは、今回のソリューションを皮切りに、今後も院内の紹介状や承諾書を管理するクラウド型PACS(医療用画像管理システム)を提供したり、地域医療機関の連携などをICTによって促進していきたいとしている。

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