KDDI、1Qは減収減益も「計画通り」--スマートパスは150万契約へ

 KDDIは7月25日、2013年3月期第1四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比0.4%減の8616億1500万円、営業利益は同32.8%減の942億1100万円、経常利益は同31.9%減の901億8600万円、純利益は同28.7%減の512億9100万円となった。

  • KDDI代表取締役社長の田中孝司氏

 減収減益となった第1四半期だが、KDDIでは成長戦略として掲げる「3M戦略」の本格化に向けた先行投資を行っていることから、「通期(目標である)5000億円の営業利益に向けて計画通り進捗している」と、KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は説明する。

 KDDIは3M戦略の第1弾として、FTTH/CATV各社と連携し、指定の固定通信サービスに契約することで、最大2年間スマートフォンの月額料金を1480円割引く「auスマートバリュー」を提供。また、月額390円で500本以上のアプリや、クーポン&ポイント、ストレージ、セキュリティなどのサービスを利用できる「auスマートパス」を提供している。

 3月1日に提供を開始したauスマートバリューは、約4カ月で133万のau契約数を獲得。同社によれば、スマートフォンの新規契約のうち25%がauスマートバリューによるものだという。また、契約世帯数は82万にのぼり、家庭内でのau契約率も増加傾向にあるという。FTTHサービス「auひかり」の純増数も前年同期と比べて約2.8倍増加した。

  • 1Q業績のポイント

  • 「auスマートバリュー」の契約数

  • 「auスマートパス」の契約数

 同じく3月1日に開始したauスマートパスの契約数は、6月末時点で147万契約となっており、サービスに対応するAndroidスマートフォンの販売数における契約率は、7月時点で8割近くにのぼるという。田中氏は、「目標の80%付近まで伸びてきた。Androidスマートフォンを買う方のほとんどがauスマートパスに加入している」とコメント。5月に開始した「ビデオパス」と6月に開始した「うたパス」についても、「いずれも初期動向としては非常にいい結果」と評価する。

  • auの通信ARPUについて

 田中氏は、第1四半期の減益要因として、モバイル通信料収入の減少や、端末評価減などの一時的な発生、800MHz帯周波数の再編にともなう移行コストなどを挙げる。第2四半期は、auスマートバリューなどによるau純増数の拡大により、通信料収入減が縮小していくと見ており、FTTHの純増拡大にともなう増収も期待できると説明。周波数再編の移行も完了することから、前年同期比500億円規模のコスト削減が可能になるとした。

 ARPU(ユーザー1人あたりの平均売上高)は、4240円と前年同期と比べて9.2%減少しているが、第1四半期のスマートフォン販売台数が前年同期比2.6倍の167万台と好調であることや、毎月割設定のコントロールなどによって、今後は上昇が見込めるとした。

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