モバイル決済を手がける新興企業のSquareがまたしても多額の資金を調達した。非公開企業のウォッチャーであるPrivCoによると、同社が資金調達ラウンドで2億ドルを調達したことで、最高経営責任者(CEO)のJack Dorsey氏は数字の上で正式に億万長者になったという。
この件についてはSquareも、その主な投資家であるRizvi Traverse Management(ミシガン州に拠点を置く、ほとんど知られていない非公開投資会社)も公式には何も認めていないものの、米国時間7月25日には金額の大きさが広く話題を集めていた。
Rizvi Traverse Managementのウェブサイトによると、同社はSquareの他にPlayboy EnterprisesやFacebook、Twitterにも投資している。
非公開企業に関する情報提供を行っている調査会社のPrivCoによると、Squareは今回、時価総額32億5000万ドルいう評価の下に、2011年6月の調達額の2倍にあたる額を調達したという。これは創業3年の非公開企業では前例のない額であるという。
PrivCoによると、Squareの2012年の売上は、4250万ドルといわれている前年の売上の300%増しになるという。また、Squareの今回の資金調達により、Twitterの共同創業者であり、会長でもあるDorsey氏は、億万長者の仲間入りを果たすことになるともPrivCoは伝えている。
2010年に開始されたSquareのサービスを利用すれば、業者は同社のカードリーダーをモバイル機器のヘッドフォンジャックに差し込むことで、どこにいようとクレジットカードでの支払いを受け付けられるようになる。同社は1回のカード処理でカード支払額の2.75%を手数料として徴収しており、10億人以上の顧客数を誇っている。また同社は、「Square Register」アプリや「Pay with Square」アプリといったサービスも提供している。
新たな資金調達の成功は、Squareのサービスが普及してきていることの表れであるものの、PrivCoのCEOであるSam Hamadeh氏によると、PayPalといった競合が台頭してくるなか、Squareは乗り越えなければならない難題をいくつか抱えているという。
Hamadeh氏は25日付けの声明において「PrivCoは、Squareが『売却を視野に入れて作り上げられている企業』であると以前から考えており、モバイル決済分野で遅れをとっている大手の決済サービス会社から見るとSquareは格好の買収対象となるだろうという点からも、われわれのこの考えは今でも正しいと判断している」と述べるとともに、「われわれは、Squareがずっと独立した企業であり続けるとは考えていない」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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