最高情報責任者(CIO)が必要なスキルを持つ人材を探すのに四苦八苦している時でも、仕事はこなさなくてはならない。現在こなす必要がある業務量に対して、それに対応できるスタッフの陣容をそろえられるだけの資金を、会社が用意してくれない場合もある。そのような状況では、やるべき仕事を十分にこなせないかもしれないと主張するしかない。しかし、会社がその費用を出す用意があるが、必要なスキルを持つ人材を見つけるのが難しいという場合、CIOが反論するのは難しいかもしれない。では、十分に優秀なスタッフが見つからないとき、組織の重要なニーズを満たすにはどうしたらいいだろうか。この記事では考えられる5つの対応を紹介し、その利点と問題点についても説明する。
多くの組織は給与支払いの計画を持っており、そこでは各職位の給与額や職位の条件が定義されている。多くの場合、これらの計画は従業員間の給与額の公平さを維持するために使われている。しかし本当は、一部の仕事は他の仕事よりも価値が高い。もし、ある職位に見合うだけの才能を持つ人材を引きつけるのが難しければ、給与計画を見直して、給与をその職位に見合う市場価格に応じたものにすることだ。
問題点:必要なスキルを手に入れるために、より多くの経費がかかる。
わたしは、ある企業が1人でIT企業が開けそうな人材を探す求人広告を見たことがある。それはTCP/IPのパケットのデコードができるところから始まり、.NET開発のエキスパートで、Exchangeの5.5以降のすべてのバージョンを習得しており、COBOLを含め地上にあるすべての言語をマスターしていなくてはならない、というものだった。そういう企業が、必要な職位に適任だと思える人材を見つけるのに苦労するのも不思議はない。
もしあなたの会社がそうなら、条件を減らすことだ。必要不可欠なスキルだけに絞ること。
こんなことは常識の問題だと思えるだろうが、一部の会社が1つの職位にどれだけの仕事を詰め込もうとするかは、驚くほどだ。
問題点:1つの職位に持たせたいと思っているすべてのスキルを手に入れることはできないかもしれない。
給与額を修正し、職務説明を必要不可欠なスキルに絞り込んでも、やはり助けを見つけるのが難しいこともある。その場合、地元の大学に助けを求めることを検討すべきかもしれない。計算機科学を教えている多くのコースには、助けを求めることができる、未熟だが才能豊かな人材が数多くいる。さらに、その大学と共同で、あなたの会社で働くことを学位取得のための単位として認める正式なプログラムとすることを検討してもよいだろう。こういった実務ベースの取り組みは、公式な形で現実世界に触れることができるため、学生にとっても非常に強力な経験になり得る。このプログラムは、会社にとっても有効な人材獲得方法になる可能性がある。
問題点:学生はそれぞれがまったく異なるスキルレベルを持っているため、このプログラムを通じて学生が入れ替わる度にスキルセットが「リセット」されることになる。これを管理するには、大変な手間が必要になる可能性がある。
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