グーグル「Nexus 7」担当幹部が語る開発戦略:「Nexus製品を作る動機は誤解されている」 - (page 2)

Marguerite Reardon (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年07月06日 07時30分

--本当に信じられないような価格です。どうやってこのような低価格を実現できたのですか。Googleはこうしたデバイスから利益を上げていないという話を聞いたことがありますが、本当ですか。

Brady氏:ビジネスの面について私がコメントすることはできません。ただ一般的に、われわれがNexus製品を作る動機は誤解されていると思います。その動機とは、エコシステムを構築し、後押しすることです。

--Googleのハードウェアパートナーは、Googleが極端に利益率の低い製品を製造し、販売しようとしていることに困惑しているとは思いませんか。それは、パートナー企業の製品の小売価格を押し下げて、彼らが利益を上げるのを難しくすることにならないでしょうか。

Brady氏:われわれがしていることに関わらず、市場圧力というのはそういうものです。テクノロジの世界では、製品は徐々により小さく、より安価になります。皆さんからもっと高いレベルを要求されることがありますが、それこそわれわれがここで実行したことです。しかしそれが、パートナーに不利益を与えているとは考えていません。

--Googleがハードウェア企業1社と提携して、独自ブランドの製品を製造および販売しようとしていることで、ハードウェアパートナーが脅威を感じるとは思いませんか。

Brady氏:「Nexus One」を初めて発表したときを振り返ってみると、パートナー企業は警戒していたと思います。しかしパートナー企業はその後、われわれがそれを完全に自分たちだけで行おうとしているのではないことを理解しました。われわれは複数の企業と提携して、ハードウェアをともに開発しています。Nexusのスマートフォンでは、サムスンやHTCと協力してきました。また「XOOM」タブレットではMotorolaと密接に連携しています。そして今回、Nexus 7タブレットではASUSと提携しています。

 今やわれわれのパートナー企業は、Nexus製品がまさに、利用できる最高のハードウェアとソフトウェアの技術革新の交点であることを理解していると思います。それゆえにわれわれは、自らの製品で革新的なことをしている企業と提携しようとするのです。またわれわれは、Nexus製品でわれわれと提携したいというすべてのパートナーに対して、もっと高いレベルを目指すよう求めています。

 われわれはサムスンの曲面ガラスに大きな感銘を受け、それをNexusスマートフォンに組み込みました。そしてASUSがわれわれのところにやって来て、彼らがタブレットで何ができるかを見せてくれたときには、一緒に仕事をしたいとすぐに思いました。

 パートナー企業が脅威を感じているとは思っていません。実際のところ、彼らは喜んでいると思います。Androidはオープンソースですから、こうした製品の開発を通して、われわれは半導体メーカーと協力し、あらゆるテクノロジがソフトウェアと連動できるようにしており、そのことをパートナー企業は理解しています。また、われわれはソフトウェアを向上させようとしています。例えば、「Project Butter」での取り組みによって、デバイスの応答性が非常に良くなっています。何であれわれわれが開発するものは、最終的にはAndroidのエコシステムの中にいるあらゆる人の役に立つでしょう。

--ASUSが優れたテクノロジを持ち合わせており、GoogleがNexus 7向けとしてそれに関心を抱いたことは分かりますが、Motorolaを選ばなかったのはなぜでしょうか。結局のところ、Googleは現在Motorolaを保有していますが。

Brady氏:われわれがMotorolaを買収したとき、ハードウェアビジネスに参入してパートナー企業と直接競争するために買収したのではないことを、パートナー企業にしっかりと伝えることが重要でした。われわれがMotorolaを買収したのは、特許と知的財産の観点でエコシステムを助けるためでした。

 当初、われわれのパートナー企業は、Motorolaを優遇しないとわれわれが言ったのは本気なのかどうか、確信を持てずにいたと思います。しかし彼らは、われわれがサムスンと提携してNexusスマートフォンを作り、さらにNexus 7タブレットではASUSと提携したのを見ているので、Motorolaが優遇されているわけではないことを理解していると思います。すべてはエコシステムのためなのです。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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