筆者の複数の友人が最近、カナダのシークレットサービスと会ったところ、カナダには大して敵がいないので自由時間のほとんどをガーデニングに費やしていると言われたらしい。
カナダはおそらく、セキュリティ部隊にもう少し仕事をしてもらうと決めたらしく、オタワ空港に録音器が取り付けられるという。
設置場所は怪しい人物が集まりそうな場所(それがどこであれ)に限られない。つまり、範囲内にいるあらゆる旅行者や空港スタッフの会話が録音されてしまうことになる。
Ottawa Citizenは、盗聴器が既に取り付けられていることをカナダ国境サービス庁(CBSA)があっさり認めたと報じている。ただしまだ作動はしていないという。
CBSAはまた、盗聴器が他の空港(具体名は非公開)や国境地点にも設置されていることを明らかにした。
残念ながら、これがまさに問題の核心だろう。多くの国の想像もつかないような様々な場所で、人々の会話が既に録音されているかもしれない。
仮に録音されたことが分かったとしても、悪人を探しているだけだと言われるのがオチだ。しかし会話の内容がひとたび誤解されれば悪人にされてしまう。
旧東ドイツの秘密警察が非情なまでに人々を監視する様子を描いたドイツ映画「The Lives of Others(邦題:「善き人のためのソナタ」)」を見て、多くの人は悲しみ、驚愕した。
しかし今回の録音は、広範かつ無差別であるかのように見える。強力な組織(企業であれ公的機関であれ)がハイテク機器を所持するとこのような行動をとるようになるから不思議だ。信頼しろと言われるが、それ以外に何ができるというのだろうか?
一方で喜ばしい副作用もある。静まり返った空港を想像してみよう。録音されるのが嫌で誰も話をしない。旅における多くの苦痛が和らぐのではないだろうか?
全ての空港が修道院のようになれば、奇妙ながらスピリチュアルな雰囲気になるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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