科学は、時に奇抜なアイデアを生むものだ。
心理的な兆候を読み取り、子どもが授業でどれくらい集中しているかを測るブレスレットは、その極みといえるだろう。
このブレスレットに対する、Bill & Melinda Gates Foundationの寄付金提供を報じてくれたThe Washington Postに感謝したい。
自分の感情が皮膚から読み取られるとは知らなかった。たまにローションを塗り忘れてカサカサになることはあるが。
しかし、クレムゾン大学とNational Center on Time & Learningに提供された寄付金で、皮膚を通して人間の集中度を測定する方法が研究されるという。
広告会社やFacebookの類が、この集中度とやらを数値化しようとしたら大変だ。生徒の皮膚から読み取った結果で教師が評価されることを想像すると、さらに大変なことになる。
いずれにせよ、仮に子どもの皮膚が高い集中度を示したとしても、その対象が美しい白昼夢なのか14世紀の英文学なのかをどのように判別するのだろう?
この研究に費やされる予定の110万ドルで、子どもの学習用にiPadを購入した方が良いのではないかと考える人もいるだろう。
それに、自分がブレスレットを身に付けるよう言われた子どもの立場にいたら、と想像してみてほしい。子どもはごまかすことに長けている。飲み込みが早い。大嫌いな教師をクビにさせるために、できる限り「集中していない」という結果を出そうとするのではないだろうか?
子どもには、この手の権力は通用しないものなのだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス