FAQ：MSの新モバイルOS「Windows Phone 8」--ユーザーが知っておくべきこと - (page 2)

　Microsoftは2012年夏の間に、開発者にさらに詳しい説明を行う予定で、開発者がSDKを入手するのもその時だろう。

　サムスン、Nokia、HTC、Huawei（ファーウェイ）、ZTEがMicrosoftの5大パートナーだが、Windows Phoneはほかのメーカーでも製造される予定だ。サムスンとNokiaは既に米国でハイエンドおよびミッドレンジのWindows 7.5搭載スマートフォンを発表している。一方、ファーウェイとZTEは、価格が手ごろなエントリーレベルのWindows Phone搭載スマートフォンを世界中で発表している。われわれはこの傾向がWindows Phone 8でも続くと予想している。

　AT&TはWindows Phoneの最も忠実な擁護者であり、Microsoftのスマートフォンをほかのどの通信事業者よりも多く扱っているため、同社が素晴らしいハイエンドデバイスを取り扱うことになると予想される。T-MobileはNokiaの「Lumia 710」で健闘しており、Windows Phone 8に参入してくるのは間違いない。SprintとVerizonにはWindows Phoneがそれぞれ1機種あるが、それほど前からではない。VerizonとMicrosoftは、VerizonのポートフォリオにWindows Phoneがあるのは光栄だと公に言っているが、Verizonは、このプラットフォームがその能力を証明するまでは、ハイエンドデバイスを1機種提供するだけにして、様子を見る可能性が考えられる。Sprintもきっと同じ手を打つだろう。

　ハイエンドのWindows Phoneでは、Qualcommのデュアルコアプロセッサ「Snapdragon S4 Plus」が搭載される予定で、最大クロック速度は1.7GHzだ。Windows Phoneの中には、それより遅いプロセッサを搭載して、価格を調整したり、よりエントリーレベルのスマートフォンに見合った機能にしたりするものもある。詳しい情報はこちらを参照のこと。

　ネイティブサポートはない。このVoIPアプリは組み込まれておらず、使うにはやはりダウンロードが必要だ。しかしMicrosoftは、Skypeなどのサードパーティーのアプリを通話メニューに統合するための基盤を構築しており、これによって、VoIPサービスを通じての通話の発信と受信が、通常の通話機能と同じように見える。

　Windows Phoneは、NFCを初めてサポートする予定だ。これは3つの部分からなる。1つ目の部分では、「Tap + Share」（Microsoftによる消費者向けのNFCの名称）を使って、NFC対応端末間でのURLの共有や、名刺やポスター、メニューなどにある「タグ」の読み取りといったあらゆる種類のことを行う。2つ目の部分では、通信事業者が管理できるセキュアなSIMカードを利用して、モバイル決済を実現する。

　Microsoftは独自のウォレットハブも導入しており、これでアカウントやポイントカードのように、取り扱いに注意が必要な情報を保管する。これは、ほかのサードパーティーが提供しているウォレットや、Appleの「iOS 6」向けの「Passbook」機能によく似たシステムだ。

　Microsoftは、同社の音声認識ソフトウェア「Tellme」の拡張機能のデモを行った。この拡張機能を使うと、アプリに音声でコマンドを伝えることができ、今回は「Audible」が使われている。AudibleのWindows Phone用アプリには、Microsoftの音声APIを利用して、コマンドモードが組み込まれている。コマンドモードを実行すると、メディアの再生や一時停止、停止や再開を自分の声で行える。この粋な機能は、どんな開発者でも実装できる予定だ。しかしMicrosoftは、この種のアプリについて回る2つの問題に対応しなければならない。1つは、音声の解釈には往々にしてばらつきがあり、時としてそこから問題が生じることだ。そしてもう1つは、バッテリを消費してしまうことだ。しかし、Windows Phoneでどの程度のバッテリが消費されるのかは、この先確認していく必要がある。