チップメーカーのIntelは、同社プロセッサ「Many Integrated Core」(MIC)のブランド名を、成功を収めている「Xeon」ブランドにちなんだ名称に変更した。同プロセッサへの関心を高めるべく、スーパーコンピューティングコミュニティーに働きかけを行う中での名称変更だ。
Intelは、ドイツのハンブルクで開催中のInternational Supercomputing Conferenceにおいて現地時間6月18日、MICプロセッサの名称を「Intel Xeon Phi」に変更すると発表した。ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)分野でのシェア拡大をねらうIntelにとって、このプロセッサはきわめて重要な製品だ。HPCはデータセンター分野として2016年までに20%の成長を遂げるとIntelは予想している。
Intelのテクニカルコンピューティング部門でゼネラルマネージャーを務めるRajeeb Hazra氏は、カンファレンスにおいて次のように語った。「HPCはデータセンターのニッチ技術もしくはニッチ分野だと考えている人が多い。公的資金が投入されており、ゆえに景気の影響を受けやすいものだと。われわれはそうは思わない」
「科学や産業におけるHPCの利用は、製造業からライフサイエンス、あるいは気候モデリングなどの国家的事業にまで爆発的に拡大している。爆発的に拡大しているのは、それが(国家にとって)不可欠な資本になったからだ」とHazra氏は述べている。
Xeon Phiはまだ一般提供されていないが、6月18日発表の最新版スーパーコンピュータランキング「TOP500」に入ったシステムの1つに搭載されている。今回150位となったIntel運用の実験的スーパーコンピュータ「Discovery」がそれだ。Xeon PhiプロセッサはIntelの戦略変更を表している。同社は目下、強力なコアを多数搭載するXeonと、比較的低性能の高度並列コアを多量に搭載するMICという、根本的に設計の異なる2種類のプロセッサをサポートし、なおかつ両方を同一のフレームワークと技術でプログラム可能にする方向へシフトしつつある。
MICプロセッサのコア数は50を超えるが、Intelはまだ具体的な数字を明らかにしていない。同プロセッサはXeonプロセッサと2つ1組でコプロセッサとして機能し、並列実行が可能なタスクの処理を行う。難しいシングルスレッド計算はXeonプロセッサが担当する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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