国連が、Google、Facebook、Apple、Netflixといった最大手のウェブコンテンツプロバイダーを対象にした新たなインターネット税の導入を検討している。新たなインターネット税は、これらのコンテンツプロバイダーにとって、新興国のユーザーにサービスを提供する能力を損なう恐れがある。
新たに流出した文書によると、国連機関である国際電気通信連合(ITU)が2011年12月に行った会合において、欧州側から、既存の電気通信条約を改正し、人気の高いウェブサイトとネットワークプロバイダーに対し、米国外のユーザーにサービス提供する特権に対して重いコストを強いる、という提案が議題として示されたという。
流出した文書(No. 1およびNo. 2)では、Obama政権と米連邦議会の共和党員らがITUの秘密交渉に対して先週示していた警戒感が明確に記されており、この国際的な通信条約をめぐる秘密交渉は、インターネットエコシステムの根本的な再構築につながるものであり、各国政府が国民のオンライン活動を監視したり、制限したりする可能性があるとしている。
インターネットソサエティ(ISOC)の公共政策担当シニアマネージャー、Sally Shipman Wentworth氏は、提案されたインターネット税について「非常に懸念すべき事項だ。法的、商業的に膨大な不確実性を生み出す可能性がある」と述べた。
流出した提案書は、ブリュッセルに本部を置き、35カ国の代表企業で構成されるロビイスト団体の欧州公衆電気通信ネットワーク事業者協会(ETNO)が作成したもので、ITUに対してこうした料金の義務付けを求めている。
この提案が示されたのは今回が初めてであるのに対し、欧州のネットワークプロバイダーおよび電話会社は米国のコンテンツプロバイダーにかねてから厳しく不満を述べてきた。Bloombergは2011年12月に、France Telecom、Telecom Italia、Vodafone Groupが「AppleやGoogleといったコンテンツプロバイダーに対して使用料にリンクした料金の支払いを求める」ことを望んでいると報じている。
ETNOでは、この点について、「送信側ネットワーク負担の原則」としている。この考え方は国際電話通話料金の処理のために制定されたシステムから借りてきたもので、このシステムでは、受信側ネットワークで分単位の料金を設定する。仮に今回の提案が採用されると、米国外のユーザーにサービスを提供するコンテンツプロバイダーに対して効果的に課税できるようになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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