Googleは、同社をかなり痛烈に批判するゲスト論説を掲載したThe Wall Street Journal(WSJ)に反撃した。
Nextagの最高経営責任者(CEO)であるJeffrey Katz氏は、米国時間6月7日夜にWSJが掲載した記事で、Googleは大きく膨れ上がって独占に至っており、(少なくとも検索の分野において)Googleに次ぐ競争相手もまったく勝てる見込みがないと主張した(その競争相手であるBingが、過去にやはり独占に関わる問題で知られたMicrosoftの検索サイトであるのは興味深い)。
Katz氏には確かな証拠がある。主としてそれは、検索分野におけるGoogleの独占を証明する統計と、独占禁止に関する問題をめぐって行われたGoogleと欧州連合(EU)との論争だ。
しかしながら、Katz氏は価格比較サイトのトップであり、市場に対する心からの懸念というより嫉妬から書かれた記事という解釈を退けることは難しい。Katz氏の文章から、ペイドサーチ(検索キーワード広告)とそれ以外の検索結果について最も激しく主張している部分を抜粋しよう。
その結果、どの会社、どの組織、どの主張が表示されるかを管理することにより、Googleはブランドの命運を握るようになった。Googleによって検索結果の3ページ目に押し出された業者や企業は(40ページ目ならなおのこと)やっていけなくなるかもしれない。好ましくないブランドを「不可視にするマント」は、「世界の情報を整理する」、あるいは少なくともGoogleよりも消費者にとって利益が最大になるように情報を整理するという、Googleの本来のミッションにそぐわないものだ。
WSJがゲスト論説のページにこうした告発をいくつか掲載したことで、Googleは感情を害したようだ。
Googleでエンジニアリングを担当するシニアバイスプレジデントのAmit Singhal氏が、6月8日付のGoogle Public Policy Blogでこれにしっかりと反論を加えた。Singhal氏は、「ペイドサーチでない通常の検索結果に、(有料サービスの)支払いは決して影響していない」と主張するとともに、暗にNextag側のポリシーを攻撃している。
われわれのアルゴリズムによる検索結果は、ユーザーにとって最も関連性の高い回答は何かということにのみ基づいており、それは直接的な答えかもしれないし、競合他社のウェブサイトかもしれない。Googleでは広告とコマーシャル体験に明確な表示があり、ペイドサーチでない通常の検索結果と区別されているし、最近もショッピングの検索結果表示について新たな改善点を発表している。この点は多くの価格比較サイトと対照的だ。そうした価格比較サイトは業者からお金を受け取りながら、多くの場合、支払いを受けたことで影響があると検索結果に明示していない。
Singhal氏はさらに、Googleの検索インフラとアルゴリズムを擁護した上で、Katz氏などブログを読んでいるユーザーに対し、探しているものがGoogleで見つからなければ(あるいは端的にGoogleを使いたくなければ)、いつでも他の検索エンジンを試してみればいいと指摘している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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