米国時間6月5日の朝に発表された、Sean Parker氏とShawn Fanning氏の最新ベンチャーであるソーシャル・ビデオ・チャット・サービス「Airtime」。このサービスの成功を期待する人物の1人が、Parker氏の長年の友人で、かつてのビジネスパートナーであるMark Zuckerberg氏なのは間違いない。
多くの有名人を招いてニューヨークで開催された発表イベントにZuckerberg氏は参加しておらず(ただし同氏は5日中にAirtime上に姿を見せている)、これは決してFacebookのイベントでもなかった。しかし、Facebook創設時の社長で、先ごろ株式公開会社となった同社のかなりの部分を今も保有するParker氏の宣伝文句は、まるでZuckerberg氏の言葉のように聞こえることもあった。少なくとも、すべての人をつなぐことについて語っているときのZuckerberg氏のようだった。
「われわれが構築しているのはネットワークサービスであり、消費者向けソフトウェア製品とは大きく異なる。それは手で持てるようなものではなく、その価値はすべてユーザー間のつながりにある」(Parker氏)
そしてもちろん、まさにそうしたつながりこそがFacebookを価値あるものにしている。世界中の5億2600万人のユーザーが毎日Facebookを使用しており、少なくとも月に1回は使用するユーザーは9億100万人に上る。
Airtimeは、ウェブ上にある非常に多くのサイトと同様に、ログイン方法として「Facebook Connect」を採用している。しかしAirtimeは多くのサイトよりも踏み込んだ方法をとっている。このサービスは、自分のしていることをニュースフィード上で共有するためのものではない。Airtimeはさまざまな意味で、Facebookの機能の1つであるかのようだ。Facebookが自ら構築すべきサービスだったと言ってもよいだろう。
基本的な機能としては、Airtimeは自分のFacebookの友達とシンプルなビデオチャットができる。Airtimeを起動すると、自分と同様にチャット可能なFacebookの友達がサイト上に表示される。至極簡単で、正直に言って現段階ではあって当然なものに思える。Googleは「Gmail」でインスタントビデオチャット機能を提供している。Google+にはハングアウト機能がある。Facebookにも、こうした機能があるべきではないだろうか。
Zuckerberg氏自身は、Skypeとの統合機能を鳴り物入りで発表した2011年夏から、ビデオチャットについて盛んに語り始めた。同氏はFacebook本社でのイベントでSkypeとの統合を発表し、Facebookへのビデオチャット機能の搭載を期待するユーザーが多いことについて、時間をかけて語った。その後、Skypeは2011年秋、SkypeのデスクトップアプリにFacebookのビデオ通話機能を追加し、同社との提携を深化させている。この機能により、SkypeユーザーはFacebookにログインしなくても、Facebook上の相手とビデオチャットを開始できるようになった。
ただし、Facebook経由でSkypeを利用しているユーザーがどのくらいいるのかは明らかではない。Skypeの広報担当者によると、現在はMicrosoftの一部になっている同サービスには「月に1回は接続するユーザー」が2億5000万人おり、その半数がSkypeのビデオ通話機能を使っているという。しかしプラットフォーム別の利用状況は明らかにしなかった。Facebookの広報担当者も詳細については回答しなかった。
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