ウェブ企業にとって、子どもは全く相手にしないようにするのが最善の策だ。子どもはあまりお金を持っていない上に(普通はクレジットカードのアカウントを持っていない)、規制の面でさまざまな危険をはらんでいる。そうする義務があるわけではないのに、改正中の米児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に対応し、さらに子どものプライバシーを保護するという厄介な仕事を引き受けたいなどと誰が考えるだろうか。
しかし、子どもは未来の消費者でもある。そして、子どもには親がいる。子どもは自分でものを買うことはできないかもしれないが、子どもに関連する買い物はどんな家族にとっても中心的な事柄である。
Facebookが社会および家庭環境の一部分を占めるようになってきたことは間違いない。任意の年齢規制を理由にFacebookから子どもを閉め出すことは、法律やビジネスの観点から考えて理にかなっている部分があるのかもしれないが、それが上手くいかない家庭も多い。そのため、Facebookのアカウントを取得するために子どもがうそをつくのを助ける親が実際に大勢いるのだ。
もっと良い方法があってしかるべきだ。そして、Facebookはまさにその実現に取り組んでいる。The Wall Street Journal(WSJ)の報道によると、Facebookは子ども向けのアカウントタイプを設けて、親のアカウントにリンクされるようにする予定だという。そうすれば、子どもは成人のふりをする必要がなくなる。現実世界での子どもの親は、近いうちにFacebook上でも彼らの親になることができる。
つまり、親は自分の子どもが誰とつながっているかを確認できるようになり、子どもが「いいね!」ボタンを押した内容や、閲覧した内容も確認できるようになるかもしれない。これは、Facebookの子ども向けアカウントが現実世界の遊び場と同じように、周囲から保護され、壁で囲まれた場所になる可能性を意味している。この遊び場は、現実の世界では「お子様連れでない大人の方は入場できません」という標識が掲げられているような場所だ。
ただし、親や子どもが得るものよりも、Facebookが得るものの方が大きい。
FacebookはCOPPAの改正の一歩先を行けるだけでなく、すべてのユーザーが本来の自分になれる方法を見つけることによって、同社のデータの質を高めることもできる。この人は誰なのか、そして誰と誰がつながっているのか、というデータからFacebookは利益を生み出している。正確なデータは、広告の効果を増幅させる。
Facebookは子どもには広告を表示しないかもしれないが(親を安心させるのにこれは賢明な手だ)、子どもの親が誰であるかをいったん把握すれば、おそらくその親に向けて広告を表示できるだろう。読者はクリスマスや誕生日が近づいてきたときに、自分の子どもが「Beyblade」に関するあらゆることに「いいね!」ボタンを押しているが、「Hot Wheels」については興味を失っているということを知りたくはないだろうか。
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