次世代SIMカードの設計を巡る標準化戦争では、Appleが実際に勝者となった。この小さなチップを搭載するカードは、携帯電話をワイヤレスネットワークに接続する際の機器の識別に用いられる。
Appleは第4世代、すなわちより小さなSIMカードの設計を巡ってNokiaやResearch in Motion(RIM)、Motorolaと競合していた。欧州電気通信標準化機構(ETSI)は現地時間6月1日、「第4のフォームファクタ」(4FF)とも呼ばれているこのSIMカードの設計を最終的に決定したものの、それがどこの設計であるのかは明確にしていなかった。
SIMカードメーカーのGiesecke & Devrient(G&D)は米国時間6月4日のインタビューにおいて、2011年以来変更のなかったAppleの設計が勝ち残ったと述べた。同社の広報担当者であるStefan Waldenmaier氏は「すべてが決着した」と述べている。
携帯電話では未だに第2のフォームファクタ(2FF)が主流となっているものの、Appleは既に、iPadとiPhoneにおいて第3のフォームファクタ(3FF)である「micro-SIM」を採用している。Waldenmaier氏によると、「nano-SIM」とも呼ばれる4FFは、機能的には3FFと同じものであるため、アダプターを使用すれば旧型の大きなスロットを搭載したデバイス上でも利用可能であるという。
違いはその大きさだけであるというのなら、なぜ4FFを巡って長きにわたる闘争を繰り広げる必要があったのだろうか?同氏は「政治的な戦いがあったと考えている」と述べている。とは言うものの、おそらくは特許問題も議論になっていたのだろう。
Waldenmaier氏によると、G&Dは4FFの試作品を既に製造しており、量産も可能となる見込みだという。しかし、同氏は、「4FFのSIMカードを搭載した製品がいつ市場に投入されるかについて、G&Dとしては予測ができない」とも語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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