カセット型HDD「iVDR」を推進する一般社団法人iVDRコンソーシアムは、iVDR EXPO 2012を開催した。会場内では、iVDRコンソーシアム理事長をはじめとするセミナーが開催されたほか、iVDR関連製品が一堂に展示された。
iVDRは、持ち運びや保存が容易で、iVDR-Sを使用すれば著作権保護コンテンツを扱えるなどのメリットを持つカセット型HDD。日立コンシューマエレクトロニクスの薄型テレビ「Wooo」に採用されているほか、日立マクセルからiVDRカセットを搭載したiVレコーダーなどが発売されている。
iVDRコンソーシアム理事長の日置敏昭氏は「iVDRのiはインテリジェンスのiといってもいい。著作権保護コンテンツも扱え、自由度は高い。容量においても1テラバイトの大容量モデルが日立マクセルから登場している」とiVDRの進化について話した。
続いて登壇したアイ・オー・データ機器の代表取締役社長である細野昭雄氏は、「iVDRというと、以前はPCの話をしたが、2009~2010年あたりからテレビの需要が急拡大してきた」と2002年から取り組むiVDR製品について振り返る。
同社では同日、iVDR-Sに録画したHD番組をPCで編集iVDR-S対応アダプタ「RHDM-US/EX」用サポートソフトの新バージョン「iVDR-S Media Server 3」の開発を発表。あわせて、iVDRを使用したパッケージメディア「桃井はるこ 『しょうわ』歌謡ショー」を7月に発売することも明らかにした。
「iVDRはパッケージメディアとHDDのいいとこ取り」と表現したデジタルメディア評論家の麻倉怜士氏は「新エアチェックメディアiVDRに期待する」をテーマに講演。放送波のコンテンツはパッケージメディアにならないものも多く、エアチェックは貴重なコンテンツが保存できる重要な手段と位置づける。しかし録画メディアはディスクだと容量が少なく、HDDだと保存がしにくいというウィークポイントがあり、現時点では完全と言える記録メディアが登場していないとのこと。
その中で麻倉氏は「iVDRはHDDでありながら同時にパッケージメディアである」と表現。今後は「ハイレゾリューションの映像と音声を記録できる『ハイレゾメディア』になるべき。加えて、ペットのようにめでたくなるような感覚をユーザーに持たせること、そういったエモーショナルな部分が追加されるとさらに伸びるだろう」とした。
このほか、中国の清華大学教授である陸達氏は、煩雑な中国の映画配給の状況を紹介し「iVDRにコピーすることで、煩雑な作業がなくなる」とiVDRの中国での活用法を披露。メモリーテック相談役の川崎代治氏は「iVDRの魅力は容量が大きいこと、取り出しができ可搬性があること」とし、いずれもコンテンツ保護技術「SAFIA(サファイア)」の搭載を評価した。
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