Facebookを殺すのは誰か--モバイル世代への対応の深刻な遅れ - (page 2)

Molly Wood (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年06月04日 07時30分

 簡単に言えばこうだ。世界はモバイル化しつつあるが、モバイルで利益を得るのは難しい。そして、そのことをFacebook以上に痛切に感じている企業はない。

 しかし、誰かがどうにかするだろう。いつも誰かが解決策を見つけるものだし、そうした人々のいるところでは常に利益が生み出される。ただ、それはFacebookではないだろう。同社は全くモバイル化していないし、そうしてこなかった。Mark Zuckerberg氏は若いとはいえ、ウェブで、つまりコンピュータで育った世代だ。同氏が2010年に、Facebookに「iPad」アプリがないのは、iPadが「モバイルではなく、コンピュータである」からだと言ったのを覚えているだろうか。Facebookは全く乗り遅れたのである。

 Facebookの「iPhone」アプリに問題があるのは有名だ。そのアプリの「iTunes」での評価に基づく星の数はなんと2つであり、最近のあるブログ記事は、そのアプリの劣悪さを技術的な理由で説明しようとした。「Android」アプリは、レビューでは多少健闘しているものの、明らかに一部のユーザー憤慨させている。最近のレビューでは、最新のアップデートでまたひどいことになったと言われている。これはFacebookの世界では全く珍しいことではない。

 Facebookのモバイルへの取り組みがあまりにひどいため、あるライターは、Facebookのモバイルアプリが不出来なのは故意によるもので、人々がウェブサイトを使い続けるようにするためではないかと憶測している。さらに最近の一連のうわさでは、Facebookはモバイル問題を克服しようとやけになっており、AppleやGoogle、Microsoftの要求を常に受けるプラットフォームにならないために、独自の携帯電話を開発しようとしている、と言われている。

 一方、筆者の息子やそれより上の世代の子どもたちは、モバイルデバイス(タブレットや携帯電話、また何であれ将来登場する同じようなもの)だけを使って生きている。彼らにとってFacebookは、「親たちが使っていた何か」になるだろう。そしてFacebookはやはり、本質的にウェブベースのエクスペリエンスだ。子どもたちの世代はFacebookに魅力を感じない可能性が高い。そしてどこかで、例えばPathのDave Morin氏(皮肉なことにFacebookの元社員だ)のやり方にならって考えた起業家が、最初からモバイル向けの製品に取り組んでいるかもしれない。そうした製品はウェブを完全にスキップして、次世代のユーザーが住む場所に居場所を定めるだろう。

 Facebookが競争のために必要なものを持っているのか、筆者には分からない。大規模な転換と、モバイルに対する考え方の全面的な変化がなければ、競争は不可能だ。Facebookは今でもウェブの王者だが、ウェブという王国は以前に比べてずっと小さくなっている。

Facebookの「iOS」アプリは、アップデート次第で、「悪い」と「もっと悪い」の間で揺れ動く。
Facebookの「iOS」アプリは、アップデート次第で、「悪い」と「もっと悪い」の間で揺れ動く。
提供:Screenshot, Molly Wood, CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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