アーティストが自ら人気投票を行い、メジャーステージへの出場を目指す--ソーシャルメディアプラットフォームを使ってこんな新たな取組みが開始される。アーティストとステージのマッチングプラットフォーム「getstage」を運営するg&hは5月16日、アーティストのための投票サービス「Social Vote」を公開した。また、8月18日開催の音楽フェス「SUMMER SONIC 2012 TOKYO」に向けて、同サービスを使ったステージ出場権争奪のキャンペーンが開始されることも同時に発表した。
Social Voteはfacebookの「いいね!」やTwitterの「リツイート」など、ソーシャルメディア上でのコンテンツの拡散を「票」にして投票サービス。イベントなどのステージに出場したいアーティストが参加してファンに対して投票を呼びかけ、ソーシャルメディア上での拡散量に応じてランキングが生成される仕組みをマーケティングツールとして提供。同様のモデルとしては米talenthouseが先行している。
アーティストを絡めたキャンペーンを打ちたい企業に対し、g&hはSocial Voteによる投票が可能な特設サイトを制作し、アーティストや投票者の情報を一元管理して企業マーケティングを支援、システム利用料を徴収するモデルを展開するという。
g&h代表取締役の松山仁氏は従来のアーティストを絡めたマーケティングキャンペーンについて「例えば優勝者に100万円が当たる、とかそういった動機付けが多かった。SocialVoteを使えばアーティストが出場にかけるモチベーションで、積極的に情報を拡散してくれる」と、ソーシャルメディア活用による認知コスト削減のメリットを説明した。
アーティストとひとくくりに説明するが、ダンサーやミュージシャンからデザイナー、イラストレーターなど、幅広い対象をターゲットに考えているという。「これができれば、さらに広いマーケットに対してアプローチができるようになる。美大生などが集まるようなサイトとの連携も模索中」(松山氏)
「企業はアーティストやものづくりをおこなうコミュニティに対して活躍の場所を提供しているというアプローチが取れるので、彼らの支援的なポジションを取りやすくなる。応援している、という姿がさらに共感を呼ぶ、そういう仕組みづくりを目指したい」と語る松山氏。今後は海外を含めた展開を進め、年内にgetstageの会員数1万人獲得に加え、企業マーケティングビジネスの開拓により、システム利用料など含め1億円の売上を目指すという。
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