ヒューレット・パッカードは、電源不要のシンクライアント「HP t410 All-in-One(AiO)Smart Zeroクライアント」など、ビジネス向け製品を発表した。
HP t410 All-in-One(AiO)Smart Zeroクライアントは、Ethernetを通じて電力を供給することで、外部電源なしに利用できる「Power over Ethernet(PoE)」を採用したシンクライアント。8月にアジア太平洋地域にて発売予定で、日本国内にも投入される見通し。
18.5インチのディスプレイとSmart Zeroクライアントを一体化。電源はEthernet接続によって供給されるため、それ以外のケーブル類は不要で、机の上もスッキリとまとまる。これまでにもPoEはVoIP対応の電話などで採用されてきたが、18.5インチのディスプレイを搭載したシンクライアントとしてはこれまでにない試みという。
HP t410 AiO Smart Zeroクライアントは、輝度200nit。PoEを介して13ワット以内の電力で稼働する。製品化にあたっては、3Mが開発したLEDバックライトを反映させて輝度をアップするフィルムもポイントだという。この製品により、エネルギー効率を大幅に向上できるほか、ケーブル配線や設定時間なども削減できるとしている。
なお、HP t410 AiOは3つのプロトコルをサポート。クライアント仮想化の環境がCitrix Systems、MicrosoftまたはVMwareのいずれかであれば、ネットワークへの接続を自動的に行える。
このほかにも、高性能のHP Z220ワークステーションやHP EliteBookモバイル ワークステーションを6月に発売すると発表。さらに、小売業やサービス業向けのリテールシステムを8月に発売するとしている。
HPでは、ITのコンシューマ化が進んでいると見る。企業に勤める多くのユーザーも、一日の終わりには自宅でPCを使う“エンドユーザー”になる。そういった中で、社員は自分のデバイスを会社でも使いたい、分けないで使いたいという需要が高まっているという。さらには、デザインがいいものを欲しいという声も上がるなど、コンシューマとの区分けがあいまいになってきているという。
一方で、そういった状況はITマネージャにとっては複雑な問題であり、セキュリティの問題や個人のデバイスは耐久性があるのかといった心配もある。IT部門の要求に応えながら、エレガントな製品が堅牢性の高いHP EliteBookシリーズだとした。
HP EliteBookシリーズとして、HP初となるビジネスユーザー向けの本格ウルトラブック「HP EliteBook Folio 9470m」を発表。HP EliteBook Folio 9470mは、14インチ ワイド液晶を搭載。厚さは約2cmで、重さは約1.63kg。4GワイヤレスWAN、Ethernet、VGA、DisplayPort、USB 3.0ポートを備え、補助バッテリにより使用時間を延長できる。10月発売予定で、価格は未定。
なお、ウルトラブックとしては、デザイン性を高めたHP SpectreXT Pro(約1099米ドル)とHP ENVY Pro Ultrabook(約849米ドル~)もラインアップされている。HP SpectreXT ProにはTPMセキュリティ チップが搭載されており、電子メールのデータやSSD上の情報の保護が強化される。いずれも6月に発売予定だ。なお、個人向け製品も同時発表されている。
このほかにも、11.6インチ ワイド液晶を搭載した「HP EliteBook 2170p」(約1399米ドル)もラインアップ。重さは1.31kgで、同社でもっとも小型で薄いビジネスノートPCとなる。
さらに、12.5インチワイド高精細度を搭載した「HP EliteBook 2570p」(約1299米ドル)、最上位クラスのビジネス ノートブックである「HP EliteBook 8470p」と「HP EliteBook 8570p」、新しい工業デザインを採用した13.3~17.3インチ ワイド ディスプレイ搭載の「HP ProBook sシリーズ」(約799米ドル~)がラインアップ。デスクトップPCとしては、省スペースなオールインワンタイプの「HP Compaq Pro 4300 All-in-One」(約529米ドル~)、HPの最上位クラスの商用タワーPC「HP Compaq Elite 8300シリーズ」(約999米ドル)などがラインアップしている。
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