「Wrapp」が米国時間4月30日、米国で公開された。WrappはモバイルおよびFacebook向けのギフトプラットフォームで、筆者が先日記事に取り上げ、大いに気に入った「Karma」に少し似ている。筆者はWrappがKarmaほど洗練されているとも、面白みがあるとも考えてはいないが、このサービスは恐ろしく巧妙なビジネスモデルを採用している。Wrappが失敗する可能性をイメージするのは難しいほどだ。
詳細については、記事の最後に掲載したWrappの最高経営責任者(CEO)のHjalmar Winbladh氏に対するReporters' Roundtableインタビューを参照してほしい。ギフト事業に対するWinbladh氏の見方は興味深く、読者が自分のビジネスの周辺についてさまざまな考え方を得るのに役立つかもしれない。
Wrappのサービスで、非常に巧みなのは次の点だ。Wrappは、ソーシャルな測定基準を利用したターゲットマーケティングとギフトとを組み合わせている。同サービスでは、ユーザーが誰かにギフトを贈りたいと考えた場合、贈る相手を分析して、彼らがどこにいるのか、そしてWrappのパートナーにとってどれだけ価値がある存在なのかを判断し、ユーザーに複数のギフトカードオプションを提示する。例えば、流行に敏感な彼女に何か贈り物をしたいと考えているとき、ユーザーは一切の支払いなしで、H&Mの10ドルのギフトカードを彼女に贈ることができるかもしれない。
ユーザーは、そのギフトカードの金額を増やして(無粋なことはやめて増額した方がいい)、彼女に(90ドルの費用で)100ドルのカードを贈ることができる。あるいは、財布のひもを締めて、無料で提供される分だけを贈ることも可能だ。
どちらにせよ、H&Mはわずか10ドルという(同社にとって)非常に手ごろな費用で、潜在的な優良顧客を店内に引き入れることができる。
受取人のスマートフォン上に保存されたその「カード」が商品と引き替えられると、Wrappはもちろん手数料を取る。同社はまた、ユーザー同士のつながりに関するデータの収集についてもブランドを支援する。Wrappと提携している企業が賢明であれば、ソーシャルプロフィールに基づいて、誰が何を購入しているのかという大量のデータについても相互に関連付けしているだろう。
筆者は個人的に、箱に入ったチョコレートを現金で購入して、ギフトとして贈ることの方を好む。誠実な意思表示が製品マーケティング専門家の「PowerPoint」でデータポイントとして利用されるという考えは好きではない。しかし、そう思うのは筆者がロマンチックな人間だからだ。Wrappは賢明なビジネスであり、ギフトやそれに似た意思表示を通してより多くの人がつながるのを支援できるのかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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