テレビでは“見ること”を主眼に置きつつも、ユーザーによる発信も可能にしていく。たとえば、リモコンではなくスマートフォンやタブレットと連動させて動画にコメントできるようにしたり、ウェブカメラを装着してユーザー生放送を可能にするなど、デバイスごとに適した機能を開発していきたいという。
鈴木氏は、ライフスタイルの変化から、リビングでテレビを見るという行為が減ってきている現状があるとして、「テレビの大きな画面で流れているコンテンツをみんなで楽しむというのは、日本のよき文化だと思う。niconicoのコンテンツを通じて、もう一度お茶の間で(テレビを見ながら)盛り上がるみたいなことを復活させたい」と想いを語る。
幅広いデバイスに対応しユーザー数の拡大を狙う一方で、注意しなければならないのは「コメント、コミュニティ、コミュニケーションのセグメント化」と鈴木氏は話す。niconicoでは基本的に、すべてのユーザーが動画に対してコメントできるが、今後はデバイスによって、年代別、性別、趣味嗜好別などに、投稿者のコメントを分けていくことが重要になるという。
「niconicoは2ちゃんねるの文化をくんでるところもあるので、実況の文化が強いんです。そうすると、たとえばとあるポイントで一斉に盛り上がる様式美みたいなものがあるのですが、それについてこれないユーザー層が大多数だと思うので、そこはしっかりとセグメントごとにコメントを分けてあげないと面白くならないと思っています」(鈴木氏)
niconicoのマルチデバイス展開というミッションを抱えるキテラスだが、将来的にはniconicoならではのオリジナルデバイスも開発していきたいと鈴木氏は話す。
「最近だとグーグルのARメガネ(Project Glass)が話題になりましたが、ああいった分野にも挑戦してみたいですね。以前、ニコニコ大会議のPVで『ニコニコメガネ』というイメージ映像を流したんですね。メガネをかけるとコメントが流れるような、そんなものがあったらいいなと個人的には思っています。デバイスを1から作るノウハウはありませんが、他のメーカーさんとお話する機会があれば、そういったわりと“明後日な方向のデバイス”を作っていきたいなとは思いますね」(鈴木氏)
最後に「年内には新しい試みを発表したい」と語った鈴木氏。マルチデバイス時代にniconicoとキテラスがどのような“奇をてらった”取り組みを発表してくれるのか期待したい。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
パナソニックのBioSHADOWが誘う
心地良い室内空間のつくりかた
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス