さまざまな業界のスペシャリストが木曜の夜に授業をオンラインで生中継し、それに対して受講者が感じたことや学んだことをもとにコミュニケーションを行う--スクーが運営する「schoo WEB-campus(schoo)」では、2011年12月のベータ版提供開始以降、そんなサービスを提供している。
スクーは2011年10月設立のスタートアップ。知的好奇心を満たすコンテンツを提供することで、学びの楽しさを伝える「ウェブ上の学校」を作るべく、代表取締役社長の森健志郎氏は起業を志したと語る。現在の社員は森氏と、企画面を担当する中西孝之氏の2人。システム面では、スクーのビジョンに共感した知人や友人らも協力しているという。「HTMLすら書けない時に、僕の絵空事に共感してもらった。初回もサーバがダウンして対応が大変だったが、それをやっていけるのは仲間がいたから」(森氏)
サービス開始に向けてnanapi(旧ロケットスタート)代表取締役の古川健介氏、ハイパーインターネッツ代業取締役の家入一真氏、カヤック代表取締役の柳澤大輔氏などに直接企画書を送り、スクーにかける思いを伝えて出演交渉し、了承を得た。無料で「ここだけの授業」が受けられるということもあり、会員数は2万人まで拡大。サイトへの「いいね!」は1万件近く集まった。
「少しずつ輪が広がっていることが大事。先生達も共感してくれて、2万のユーザーを巻き込んでいる。まだまだこれからというところだが、潜在的なニーズはもっとあると思う。最近では『先生をやりたい』と企画を作って持ってきてくれる人もいる。やっぱりこういうプラットフォームは必要だったんだと思っている」(森氏)。平日夜の生中継でしか閲覧できないながら、毎回500人から1000人のユーザーを集めるというschoo。授業後には、その40%のユーザーが感想などをschooの「リアクション」と呼ぶタイムライン上に投稿しているという。
そして連休明けの5月7日には、サイトの機能改善を実施し、「プレハブ校舎版」とサービスのバージョンを改めた。ユーザーインターフェースを見直し、リアクションに対してほかのユーザーからの「いいね」がつくと知らせてくれるアラート機能を実装した。
今回の機能改善自体はそれほど大きなものではない。だが森氏は「授業後のリアクション機能で、『いいね』がついたらアラート出すというのは、schooが『学びを軸としたコミュニケーションに舵をとる』という意思表示であり、その第一歩」だと語る。
国内外で教育をテーマにしたサービスが登場しているが、schooは意見や情報を交換する場所を作ることで、コミュニケーションを軸にした新しい学びの体験の場を確立させるのだという。「今は壮大な実験期間。学びを軸に横断的なコミュニケーションができる場を作りたい」(森氏)。同社では今年度中に10万ユーザーを目指すとしている。
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