働く場所と、家族が集まる場所が一体化したコワーキングスペースを目指すJUSO Coworking。そのコンセプトは「新しいワークのあり方」だという。「コワーキングの“ワーク”は、ビジネスとして働くという意味はもちろんある。でもそれだけではなく、家族やコミュニティというような意味もある。まさに“ライフワーク”という単語も根底にある」(幸治郎氏)
家族ラボの開催をきっかけに、近所のお母さんたちが自分たちでイベントを開催したり、「アイデアはあるが、それを形にする手段を持てなかった」という人たちが次第に相談に訪れたりするようになってきた。その後、コワーキングの体験イベントである「JELLY」と家族ラボのイベントを一体化した。お母さんたちが集まって子供の世話をしている横でお父さんが仕事をしている風景などが見られるようになり、全体でのコミュニケーションが図られる空間となってきた。
「意外と子供が居ても気にならないものです。むしろ子供の横で仕事をすることが新鮮に感じる。もちろん独身の人に対しても、カルチャースクールにような講座や資格のためのレッスンなども空いたスペースを利用している。独身の人と子供との交流も生まれ、これまでにない関係性が築ける場所になった」(幸治郎氏)
今後は、地域の商店街との関係性を作り上げたいと語る幸次郎氏。すでに、自身の子供を預ける保育所と提携し、働きながらの子育てを支援する体制も整え始めた。また、近所の商店と連携し、イベントや展示スペースとして場を提供するなど、単なるコワーキングスペースを越え、ビル全体としての活用方法を模索している。
「コワーキングスペースをはじめて、さまざまな人と出会い、刺激をもらうようになった。いまの時代は家族や近隣との付き合いが減少しているが、そうではなくおじさんや子供など世代を超えて交流できる仕掛けをつくっていきたい。十三には二代目三代目と家業を継いでいる人も多く、そうした地縁のコミュニティをもっと活発にしていくことで、街が元気になっていく」(幸治郎氏)
働く場所と家族や子育てなどが一体化したスペース。親が子供に働く姿を見せたり、仕事の姿勢を子供が感じる空間というのが少なくなった現代において、地域との交流や働く姿を感じるスペースは、かつてあった「地域」や「家庭」のあり方を21世紀に再構築していく動きなのかもしれない。
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