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人気カメラアプリ「FxCamera」を買収したビットセラーの狙い

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 クラウドストレージ「Cellar(セラー)」を開発中のビットセラーは4月11日、Android向けカメラアプリ「FxCamera」の全事業を開発者の山下盛史氏から取得し、事業買収を完了したことを発表した。買収にかかる金額については非公開で、山下氏はビットセラーの取締役に就任、引き続き「FxCamera」の企画、開発責任者として参画するとした。


ビットセラー取締役に就任する山下盛史氏

 FxCameraは2009年の登場以来、世界201カ国で累計1500万ダウンロードを達成しているAndroidカメラアプリ。撮影した画像に数種類のエフェクトをかけることが可能で、GooglePlayの無料写真カテゴリランキングでは常に上位をキープしている(4月11日時点で国内の同ランキング2位)。開発者の山下氏はAndroidアプリ開発における第1人者であると同時に、先日解散を発表したミログに技術責任者として参加していたことでも知られる。

 Androidユーザーであれば、FxCameraについてはご存知の方も多いかもしれない。一方で買収先のビットセラーは情報がほぼないといっていい状態だろう。彼らはいわゆる“ステルス状態”で開発を続ける国内スタートアップで、2011年10月の創業以来、クラウドストレージサービスCellarの提供を準備している。


ビットセラー代表取締役の川村亮介氏

 ビットセラー代表取締役の川村亮介氏によれば「Cellarはスマートフォンから接続できる写真用のDropbox。写真をスマホで撮るようになってカメラがさらに身近になる一方、溜まりに溜まる写真の管理はどんどん難しくなっている。まずはここを解決したい」と準備中のサービスを紹介。詳細については「正式なリリースが4月中旬にあるのでそこを待って欲しい」とした。

 ではビットセラーはなぜFxCameraを事業買収したのだろうか? 見えてくるのはアプリのダウンロード実績をもとに、Cellarに蓄積する写真を集めるという方法論だ。山下氏が「FxCameraはスマホで写真を撮る、いわば入り口」と説明するように、アプリが保存先となるCellarと接続することによって、突如として1500万個のカメラが接続できる「巨大なクラウドフォトストレージ」が出現することになる。「FxCameraを2.0、3.0とさらに進化させることで、プライベートクラウドとしてのCellarも大きく成長する」(川村氏)と今回の買収意図を説明した。

 山下氏は今回のビットセラーへの参画について「元々写真のサービスをやりたいと声をかけてもらったのがきっかけ。FxCameraを作った時のように、自分が欲しいなと思える写真管理サービスがCellarだった。そこで想いがフィットしたのと、純粋にFxCameraに割ける時間が欲しかった」というのが決め手になったという。

 川村氏はアドエクスチェンジを提供するアトランティスの元メンバー。2008年4月にアトランティスに参加後、2011年1月にグリーへバイアウトするまでの約3年間を代表取締役である木村新司氏の間近で見続けた人物だ。同社がグリー子会社となった後、2011年9月に共同創業者で現ビットセラーCTOの澤田翔氏とほぼ同時に退職している。現在のメンバーはIPAの未踏プロジェクト出身の開発者を中心とした8人ほどで、今回の山下氏を加えることでさらに技術者集団としての色合いを強くしている。

「ビットセラーのミッションは写真と人の距離を近づけること」と語る川村氏。今後についてはCellarの正式公開を4月中旬に予定し、その先にFxCameraのバージョンアップやiOSでの提供などを目指すとした。


今回ビットセラーが買収した「FxCamera」

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