デコレーション写真共有アプリ「Snapeee」を提供するマインドパレットは11月7日、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(ITV)とグリーを引受先とする第三者割当増資を実施したことを発表した。調達額と取得株式の割合は非公開。マインドパレットは今回の調達でSnapeeeをクロスプラットフォーム展開させるほか、シンガポールにマーケティング拠点を設置するなど、積極的なアジア展開を開始する。
Snapeeeの成長スピード、事業展開のスピードは目を見張るものがある。マインドパレットの代表取締役である小林佑次氏が起業したのは2010年11月、つまりちょうど1年前だ。「自分たちのコンセプトに合わせていくつか事業プランを考えていた」というアイデアのなか「スマートフォン、女性、世界で勝負できるコンテンツというキーワードからSnapeeeを最初のサービスに選んだ」(小林氏)という。
5月にリリースされたSnapeeeは2カ月ほどで50万ダウンロードを超えるヒット、グリーとの事業提携や夢展望とのタイアップ、そして今回の調達と理想的なステップを踏んでいるといえよう。
またSnapeeeの特筆すべき点がアジア圏での高いユーザーシェアだ。全ユーザーのうち香港、台湾が40%を超えるなど、日本以外のアジア圏ユーザーが80%という高い割合で、彼らの掲げるアジア展開というストーリーも現実的に思える内容だ。
さて、多くの競合らしきカメラアプリが並ぶなか、彼らの勝算はどこにあるのだろうか。この点について小林氏は単なるカメラアプリにとどまらず、コミュニケーションプラットフォームを強く意識することが重要と語る。「Snapeeeにはカワイイものやネタ的なもの、いろんな感情を含んだ写真が投稿される。もし、Twitterのようなテキストコミュニケーションが写真になったらこうなる、というものを狙っている」(小林氏)。
同時にビジネスに対する周到なアイデアと行動も重要なポイントだ。10月のグリーとの事業提携を皮切りに、ファッションコマースサイト夢展望との共同キャンペーンも実施した。カメラアプリという枠ではなく、ファッション性の高いコミュニティならではのタイアップメリットを訴求できたからこそ実現したビジネスなのだろう。
「まだ始まったばかり。アジアから“日本のカワイイ”を世界に広げる」と意気込みを語る小林氏。11月中にAndroid対応のアプリもリリース予定だそうだ。
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