ミログが会社を解散--城口社長がプレスリリースでおわび

岩本有平 (編集部)2012年04月02日 16時39分

 ミログは4月2日、全事業を売却および撤収し、会社を解散・清算すると発表した。

 ミログでは、Android端末におけるアプリケーションのインストール、起動情報など情報の収集解析を事業分野とし、(1)アプリケーション情報を統計処理した上で、国内外の携帯端末製造会社、通信キャリア会社等に提供するデータコンサルティング事業(2)アプリケーション情報をオーディエンスデータとして活用し広告会社と連携したターゲティング広告事業を運営してきた。

 しかし、これらの事業で提供していたAndroid向けアプリケーション分析サービス「AppLog」のソフトウェア開発キット(SDK)「AppLogSDK」のぜい弱性が指摘された。また、同社が提供している動画コンテンツ配信プラットフォーム「app.tv」およびアプリケーションターゲティング型のリワード広告システム「AppReward」についても、ユーザーの許諾を得ない段階で情報を取得、送信するという重大な瑕疵(かし)が発見されたとして、サービスの一部を終了、停止していた。

 その後、第三者委員会を設置して内部調査を進めると同時に、事業の見直しを検討してきたが、事業環境を総合的に判断した結果、役員会ならびに株主総会にて会社の解散と清算を決定したとしている。

 同日発表したプレスリリースで、ミログ代表取締役の城口洋平氏は「本件により、ご迷惑及びご心配をおかけした皆様にはこの場を借りて心からお詫び申し上げます。多くの皆様に支えられ事業を営んで参りましたが、私の力不足により3年間という短い歴史に幕を下ろすことになります」とコメントしている。

 CNET Japan編集部では、城口氏から直接コメントを得ることができた。城口氏は「リリースにも書いているとおりだが、2011年の秋からの批判を受けて、第三者委員会を設置して調査をした。年明けから事業再開の可能性を役員会、株主、社員含めて調整してきたが現実的には難しいということになり、今回は清算という決断に至った」と説明する。

 事業を変えてミログを存続させる可能性については、「アプリケーション情報の解析を事業領域に定めて資金調達を実施しているため、そこを大きく崩すような事業計画はしない」とした上で、「瑕疵(かし)も見つかり、お客様の個人情報に近い情報を預かる会社として(同じ事業領域で)社会的信用を回復するのは難しい」との判断をしたのだという。

 同社はシードラウンドでベンチャーキャピタルのジャフコから約1億円を調達し、その後オプトやリクルートから約3億円を調達している。これらの資金については「(ペナルティの有無などは)答えられないが、外部株主様に対しては可能な限り返金している」という。

 今後の予定について城口氏は「まったく未定」と語った。

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