Coccoloの自動調光システムがリベンジ--Imagine Cup 2012日本大会 - (page 2)

完成度とプレゼン力が高まった日本大会

 10年という節目を迎えたImagine Cup日本大会は、大きな変化が見られた大会であった。それは、参加チームのソリューションの完成度とプレゼンテーション力が、飛躍的に向上していたからだ。

 世界大会の審査では、アイデア、ソリューション、ビジネスモデル、プレゼンテーションが総合的に評価されることになるのだが、これまで日本の学生は、ビジネスモデルへの落とし込みが弱く、プレゼンテーションにおいては他国の学生と比較して積極性が欠けているといった印象があった。

  • 当日の会場の様子

 世界大会でのファイナリストたちのプレゼンテーションでは、「現実」を意識したソリューションと、「伝える力」の強さに圧倒されるほどだからだ。Imagine Cupで賞をとったソリューションを軸に事業を立ち上げ、成功を果たした例もある。俗に言われる「学生には思えない出来栄え」という褒め言葉さえ、生ぬるく感じてしまうのがImagine Cupの世界レベルだと言えるだろう。

 今回の日本大会では、アイデアとして斬新、奇抜という要素は少ないように感じたが、どのチームもこの時点ですでに、メーカーへのヒアリングや協力支援要請や実際の施設へのデモ版導入、アンケート協力などを行うなど、収益性、売上予測、コスト計算、ロードマップなどを打ち出し、実現性の高いソリューションとなっていた。

 また、それを、きちんとストーリー立てて「掴み」「声のトーン」「メリハリ」「わかりやすさ」といったプレゼンの極意を押さえた説得力のあるプレゼンテーションを行なっていた。米国Microsoft本社に勤務するImagine Cup世界大会の担当者たちも会場にいたのだが、彼らに対し英語での説明を意欲的に行うなど、すでに世界を意識したモチベーションの高い学生たちが集まっていると感じた。

 そして今回、初の試みとして、プレゼン会場の隣にデモブースが併設され、参加チームのデモがすべて見られるようになっていた。実際に披露されたシステムを見ると、Windows 8 Metro StyleやSilverlight、Windows Phone、Kinnectなど、まさに“イマドキ”のUIやデバイスを駆使した直感的、体感的なソリューションとなっていたのが印象深かった。

 接戦を制したCoccoloはもちろんのこと、日本大会ファイナリストとなった学生たち全員の今後の活躍ぶりが大いに期待されるところだ。マイクロソフト執行役 人事本部長、佐藤千佳氏のクロージングでの言葉「日本の将来、まだまだ期待できる!」を実感できた日本大会であった。

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