ソーシャルファッションコーディネートの「iQON(アイコン)」が好調だ。iQONは、ECサイトなどで販売されているファッションアイテムの画像を組み合わせて、オリジナルのコーディネートを作成できるサービス。iOS向けにアプリをリリースした後、ウェブ版では1年半かかった1万のコーディネートをわずか2週間で達成。投稿数も20倍に跳ね上がり、月間のユニーク訪問者数も100万を超えた。
急速に成長を始めたiQONはどうやってスタートし、どのようなゴールを目指しているのか――同サービスを運営するVASILYの創業者であり、代表取締役兼最高経営責任者(CEO)の金山裕樹氏に話を聞いた。
iOS版のアプリをリリースするまでは参加者が増えていることは実感してましたが、なかなかページビュー(PV)やユニーク訪問者数に反映されませんでした。2011年末に当初計画してた数%しか目標達成してなかったときはドン引きしてましたね(笑)。2011年に実施された、ある検索ロジックの変更でかなりの流入数が減ってしまっていたんです。
ユーザーが離れているわけではなかったので、抜本的な対策が必要でした。それが今回のアプリだったというわけです。やはり今までにないものを作るのは時間がかりますね。
単純に「カッコいいこと」をやりたいんです。新しいモノを作って周りを熱狂させる。ほら、サッカーのDiego Maradonaとか音楽でいえばJimi Hendrixとか。これまでになかった表現で人々をハッピーにさせてくれるじゃないですか。自分も高校の時にやっぱり「カッコいいから」という理由で音楽を始めました。単純なんです。
大学3年生の頃ですね。メジャーレーベルからも声がかかったり結構いい線いってたんですよ。メジャーデビューを目指してましたが、レコード会社のお偉いさんに向かって「いや、俺たち日本興味ないんで、世界目指します」とか言っちゃったり。なんだか、今「シリコンバレー目指します」って言ってる若い人たちと似たようなこと言ってたかもしれませんね。で、全部お断りされまして(笑)
僕が卒業した立命館大学政策科学部では、入学生全員Macを買わないといけなかったんです。パソコンっていう道具に可能性を感じてました。きっと何かがあると。自分のバンドの宣伝のためにホームページを作ったりするようになって、音楽とパソコンの日々が始まりました。
大学卒業後も、音楽は諦められなくて。仕事しながら夜にバンドの練習して週末にライブ。結局二足のわらじではどっちもダメだと、会社を辞めて集中しましたけど、やっぱりダメでしたね。お金もないし、男とルームシェアだし、夢も何もなかった。薄々は気がついてたんです。「はやく見切りをつけなきゃ」って。
そんな時バンドで付き合いのあった音楽系の会社がちょうど人を募集してた。そこで音楽系の携帯サイトの編集とかをやるようになったのが、インターネットビジネスの始まりです。当時はiモード全盛で、公式コンテンツをやっていたらスゴい儲かりました。それ以来、日本一大きなサイトの運営に携わりたいと思うようになって、ヤフーに転職したのが2006年です。
当初は音楽とネットで模索してたんです。でも音楽は権利処理が本当に大変で、可能性があるようで難しかった。ファッションは元々好きなテーマだったし、当時そこまで大きくやっているプレーヤーもいなかった。
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