VASILYは9月7日、「iQON」のリニューアルを実施した。
iQONはECサイトなどで販売されているファッションアイテムの画像を組み合わせて、オリジナルのコーディネートを作成できるサービス。現在30万点以上のアイテムが掲載されているほか、ユーザーが独自に取り込んだアイテムを使って、8000以上のコーディネートが作成されている。
VASILY代表取締役の金山裕樹氏は、「これまでは意図的にユーザー登録やコーディネート作成のハードルを上げていた。しかしこれを機に、サイトを方向転換したい。キーワードは『ソーシャルファッションサイト』。オンライン上の人と人のつながりから、新しいファッションを発見できるサイトに変えたい」とリニューアルの趣旨を説明する。
リニューアルではまず、FacebookやTwitterとの連携機能を強化。両サービスのアカウントを使ってiQONを利用できるようになったほか、作成したコーディネートを両サービスに投稿できるようになった。
さらに、サイト内でユーザーをフォローできるようにし、コーディネートを作成した際やほかのユーザーが作成したコーディネートを評価する「LIKE」ボタンをクリックした際など、さまざまな行動がフィードで流れるようにする。またブランドやアイテムをお気に入り登録すると、その情報もフィードに含まれるようになる。
さらに、コーディネートを作成するエディタについては、アイテム画像の回転機能を追加した。
サービスを開始して約1年半となるiQON。ユーザー数は「積極的に宣伝していなかったこともあり、あくまで微増という状況」(金山氏)だったという。だが、2010年11月にファッションアイテムのアフィリエイトを導入したところ、「サイト経由でファッションアイテムがものがすごい勢いで売れ始めた。数字は出せないが、半年で売上は5倍以上。今も右肩上がり。当初は考えてなかったが、広告に加えてアフィリエイトでビジネスが成り立つことが見えてきた」(金山氏)のだという。
こういった状況を背景に5月には約1億4000万円の増資を実施。これまでのコーディネート作成や共有という機能を前面に押し出していたサイトから、ソーシャルファッションサイトへの転換を決心したのだという。「ユーザーがコーディネートを作成する。そして別のユーザーがそのコーディネートを見て、そのセンスを気に入れば、作者の好みのブランドやお気に入りのアイテムをチェックする。雑誌などのファッションスナップでやっていることをバーチャルで実現できるようににしたい」(金山氏)
またソーシャル化を進める一方で、コーディネート作成のハードルを下げていく施策をとるという。「たくさんの人に『作る喜び』を感じてもらいたい」(金山氏)。9月中にも、テンプレートを元にコーディネートを気軽に作成できる機能なども盛り込んでいく。
一方で、ECなどには手を出さず、あくまで広告やアフィリエイトでのビジネスに注力する。「僕らの得意なのはインターネット、物販はずぶの素人」(金山氏)。各種ブランドとのタイアップキャンペーンなどを展開しつつ、将来的にはコーディネートやフィードの情報を元に、ユーザー動向やトレンド予測なども手がけていきたいという。
VASILYでは今後もソーシャルをテーマにiQONの機能を追加していく予定。今秋にはQ&A機能やファッションに特化したチェックインサービスなども展開するほか、スマートフォン対応も進める。
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