オリヒメ運営のアゲハ、FacebookでF1層向け商品を企画する新事業

岩本有平 (編集部)2011年11月14日 15時43分

 ユーザーがPCケースやバッグのデザインをカスタムしてサイトに提案し、ほかのユーザーからも「欲しい」という投票があれば商品化して販売する。また時にはユーザーとディスカッションを行い、商品を企画する――2008年設立のアゲハは、ファッションバックの販売サイト「オリヒメ」でこんなビジネスを展開してきた。

 代表取締役の木下優子氏は、創業当時慶應義塾大学大学院の修士1年生。これまでさまざまなビジネスプランコンテストなどで賞を受賞し、「ユーザー参加型の商品開発」をテーマに起業を準備し、オリヒメをオープンしたという。オリヒメはその後、バッグをマルイ店頭でも販売するなど、その認知と売り上げを伸ばしているという。


アゲハ代表取締役の木下優子氏

 そんな同社が10月より法人向けの新事業「ソーシャル・ガールズ・マーケティング」を開始した。これまでオリヒメ事業でディスカッションなどに参加していた女性ユーザーを「ソーシャルガール」としてネットワーク化。女性視点で、Facebookページの企画や制作、半年間の運用代行を実施するとともに、F1層(20~34歳女性)をターゲットにした商品企画を支援する。木下氏は「もともと(オリヒメで)『ブランドを作りたい』『メーカーを作りたい』というよりは、ユーザーと新しい価値の商品を作りたかった」と経緯を語る。

 すでにソフトバンクBBと共同で「SoftBank SELECTIONとスマホアクセをつくろう♪」をFacebookページで展開。利用シーンなどのアンケートを行ったり、ユーザーとともにスマートフォン向けのケースなどのアクセサリーを企画し、ユーザー参加型の商品開発を進めているという。「企業はFacebookページで認知を広げたいと考えるが、それよりも体験を楽しめるようにすることが重要。“とりあえず”でファンの数を集めても仕方ない。オープンなコミュニケーションを取ることで、はじめて見込み顧客になっていく」(アゲハ取締役の田中里実氏)。ソフトバンクBBのほか、ネット碁サロンの石音とともに「囲碁ガール・ラウンジ」なども展開中だ。

 オリヒメでも、ユーザーと二人三脚での製品開発をしてきた同社。新事業でも「今まで無視されていたユーザーの声を(Facebookページで)聞いて創発していく」(木下氏)としている。

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