エンジニアの“空き枠”を可視化する「クラウドワークス」--時給制で差別化 - (page 2)

エンジニアの“空き枠”を可視化

 会員登録や仕事の依頼、仕事の提案などは無料で、実際に仕事をした場合に、受注額の5~10%のシステム手数料が発生する。同社ではクリエイターの事前登録を受け付けており、3月20日時点で1300名以上が登録。また、発注側もKLab、ネットプライスドットコムなど複数企業による案件がスタートしている。現在は大手のSI(システムインテグレーション)企業からの引き合いが多いという。

  • クラウドワークスで受け付けている案件

 吉田氏は「SI企業では正社員の稼働率を重視する傾向にあるが、どうしてもエンジニアの時間に“空き枠”が生まれることがある」と話し、もし2~3カ月単位の案件を進めている合間に、エンジニアのすきま時間が生まれてしまった場合でも、クラウドワークスによってその“空き枠”を有効活用できるようになると説明する。「東京のエンジニアがリソース不足だと言われている中で、日本中にはもっと仕事が欲しいというエンジニアがたくさんいる。別の見方をすれば、クラウドワークスは時給制によってエンジニアの空き枠を可視化できるマーケットプレイスだと思っている」(吉田氏)

 将来的には、クリエイターが発注者に対して仕事の提案をすることも可能にしていきたいという。「クラウドワークスでは、発注者と受注者がある程度対等な関係にあることが従来のマッチングサービスと異なっている。クリエイターも自分の時給がいくらかを表明でき、それに対して企業側がスカウトをかけるため、時給を実現する方向に動く。クリエイターにとっても、そこで実績が溜まっていくと、時給に対する妥当性が高まると思っていて、エンジニアの価値を高める方向性にもなっていくと思っている」(吉田氏)

  • 吉田氏(左)と同執行役員の佐々木翔平氏(右)

 一方で、時給制で非対面の外注を行うことに抵抗感を示す企業もあるという。吉田氏は、これまでのように外注する場合は固定報酬で、社内にいるアルバイトには時給で報酬を支払う方式では、機会損失に陥ってしまうと指摘する。

 「固定報酬で外注するというのは、基幹システムの時代の産物なのではないかと思っている。従来は要件定義があって、成果物も明確だったが、いまは毎日顧客の反応を見ながら作り替えることも多い。時給制であることで発注側も気軽に修正などを依頼できる。クラウドワークスでは、社内にいるメンバーと同じように、発注者と受注者が1つのチームになって働くことを実現したい」(吉田氏)

 クラウドワークスでは今後、非対面でのスムーズな業務遂行を可能にすることで、地域活性化やIT業界の人材育成、在宅であってもスキルを持っていれば安定した収入が得られる環境を構築していきたいとしている。

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