グーグルはその魔法を失ったのか--ソーシャル分野への注力が生んだ弊害

Ben Parr (Special to CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年03月22日 07時30分

 Googleが築いた帝国は今、Facebookの直接攻撃にさらされている。ソーシャルメディアの台頭によって、Googleの大きな強みである検索と「AdWords」、そして、「AdSense」は以前ほど強力ではなくなった。

 このことは、Googleにとって極めて大きな脅威となっている。Facebookは現在、ウェブで最も人気のある目的地であり、ウェブを支えるプラットフォームへと急速に変わりつつある。さらに、Googleの中核的な広告事業さえも脅かしている。FacebookがAdSenseのソーシャル版とも言うべきサービスを提供し始めることがあれば、広告主はすぐに飛びつき、Googleのドル箱事業は深刻な打撃を受けるだろう。

 ただし、Googleは黙ってFacebookの攻撃を受けているわけではない。だからこそ同社は2011年、共同創設者のLarry Page氏が最高経営責任者(CEO)に就任して、不要なものの排除に乗り出した。それ以来、Googleは「Aardvark」や「Google Health」、そして筆者が個人的に気に入っていた「Picnik」など、数多くの製品の提供を終了した。

 さらに重要なことに、Googleはソーシャル分野において、「Google+」という独自の対抗手段を開発した。同社はこの新兵器に社運を賭けており、Google+により同社の全製品における関連性と有用性がソーシャルな時代に高まることを期待している。その結果として、「+1」ボタンや「Google+ Hangouts」「Search, plus Your World」(検索結果をソーシャル化するGoogleの試み)などが生まれた。

 当初、Google+は大成功を収めるかに見えた。同社はわずか7カ月で9000万人のユーザーを獲得し、同ソーシャルサイトに対するメディアの反応もおおむね好意的なものだった。しかし、ここ数カ月、メディアはGoogleのソーシャル戦略に反発するようになり、同社全体に対してより厳しい批判を展開し始めた。

 Marketing Landや米CNETに記事を寄稿するDanny Sullivan氏は最近の記事で、「問題なのは、途中から単なる大企業の1つになってしまったことを、Googleが理解できなかったことだと思う」と述べた。「大企業になったとはいえ、過ちは犯す。それは、ほかのあらゆる大企業と同じだ。しかし、大半の大企業とは異なるのは、何年も前に生み出した『Don't Be Evil(邪悪になるな)』という全体のスローガンのせいで、崩落の度合いが増してしまったことだ」(Sullivan氏)

Google+は価値あるものなのか、それとも気の迷いなのか Google+は価値あるものなのか、それとも気の迷いなのか
提供:Screenshot by Ben Parr/CNET

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