一見したところでは、AppleはTwitterが大好きなように見える。しかし、AppleはFacebookを嫌っているというのが本当のところだ。
少なくとも、そのような印象がするのは確かだ。
先々週リリースされた、Appleの最新のコンピュータ向けOS「Mountain Lion」の開発者向けプレビュー版によって、AppleがFacebookを良く思っていないことがはっきりした。このOSには、多数の新しいアプリ(「Game Center」「Reminders」「Notes」)や新機能(「Gatekeeper」「Notification Center」)が含まれている。そこに組み込まれていないのは、Facebookとの統合機能だ。Facebookとの連携があらかじめ含まれていれば、Appleユーザーは世界最大のソーシャルネットワークで、より多くの情報を簡単にシェアできる。
しかし、Appleは今回も、同社に最適なソーシャルメディアサービスとしてTwitterを選んだ。2012年夏にMountain Lionが消費者向けに発売されれば、ユーザーはAppleのMountain Lionアプリから直接ツイートできるようになる。それはちょうど、「iOS」のTwitter連携機能のおかげで「iPhone」ユーザーがツイートできるのと同じだ。これはTwitterにとっては、さらなる大勝利である。Appleが最新のiOSをリリースした2011年秋には、Twitterの新規登録者数は25%増加している。
AppleがTwitterを指名し、Facebookを避けたのはなぜだろうか。その答えは、2社の難しい関係にある。それは(少なくとも公には)、Appleが同社の音楽ソーシャルネットワーク「Ping」でのFacebookのサポートを土壇場になって取りやめたときから始まっている。故Steve Jobs氏は、PingへのFacebookの統合について、Facebookが「厄介な条件」を要求したと主張し、そのため、Appleは統合に二の足を踏んだ(Pingの実績が精彩を欠いていることを考えれば、それが賢明な判断だったかどうかは別の問題ではある)。
その亀裂は、Hewlett-Packard(HP)の「TouchPad」に関連した問題によって、さらに大きな隔たりとなった。2011年初めに、Facebookは初のタブレット用アプリを「iPad」専用に公開することに合意している。しかし、HPには別の計画があった。HPはFacebookアプリをTouchPadで先にリリースすることを目指していた。当然ながら、これはJobs氏が喜ぶ話ではなかった。
Facebookは、TouchPad用アプリを中止して状況を打開しようとしたが、ダメージは避けられなかった。それ以来、Appleのソーシャルメディアパートナーとして密接な関係を築いて注目を集めているのは、FacebookではなくTwitterだ。この大手テクノロジ企業同士の衝突は、Twitterが予想外の勝者になるという結末になった。
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