毎日、膨大な数の記事を発信し続ける新聞記者は、いったいどのようにして情報を収集しているのだろうか。その秘訣の一端が、本書のインターネットを使った情報活用術だ。新人記者に向けた記事がもとになっているということだが、一般向けの新書という形で出されたことにより、ライターやブロガーなど、情報を発信する立場にある者にはかなり参考になる1冊となっている。
人や情報が、インターネット上のどのような場所に集まるのかといった取材対象の探し方から始まって、情報の保存と整理方法、情報発信と共有の心得などが、仕事の流れに沿って整然と説明されている。特に大事なことは、記事のネタ元の真贋を見極める方法ではないだろうか。玉石混交の話題があふれるネットからの引用では欠かせないプロセスだ。
話の真贋確認と同様に重要なことが、後半で述べられている「ルール」だ。それは、人のプライバシー、守秘義務、著作権などの問題だ。インターネットと関わる上では、ツールの使いこなし以上に、注意を払う必要があるだろう。すでに色々なツールを使っているという人には、本書の後半を一読することをお勧めする。
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