新たな知識やスキルを学ぶことは、ビジネスにおいて不可欠だ。しかし、知識をいくら頭に詰め込んでも、それを生かす頭がなければ無用の長物。新しく学んだことの本質を見抜き、自分に置き換えて運用する能力こそ重要であり、この能力に長けている人は「頭の回転が速い」と言えるようだ。「頭の回転数を上げる45の方法」(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、「守破離」という概念を用いて、ビジネス思考の基本となる型を学び、実践し、発展させる力を鍛えるための方法を説く。
本書の帯には「30歳までに知っておきたい仕事ができる人の思考の習慣」とあるが、読んでみるとビジネスパーソンとしての基礎的な考え方や心構えが網羅されていることがよく分かる。とくに「守」で語られていることは、誰にも教わらなければ、「知る」ことになるまで20年程度はかかってしまうだろう。
冒頭の「当事者意識を持つ」ことさえ、「さまざまな経験を通してようやく学んだ」という人は多いのではないか。「守」の次の段階の「破」「離」では、問題が起きる前に対処しておく、問題を多角的に見るといった、自分以外の立場や側面から物事を見られるように訓練が進む。
本書は、まず一通り読んだ後に、自分の「今」の段階に合わせて定期的に読み直すような、人生のガイドとしての役割がある本だ。しばらく経つと忘れてしまうことを思い出すため、自分の現状を見つめ直すためなど、いつ読んでもその時の自分に合った回答を導き出すヒントをくれるだろう。
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