今の自分の仕事で10年後も食べていけるのか?--見ただけで鼓動が速まる衝撃的なタイトルだ。しかし、職を失ったらどうしようと無駄に焦ったり、反対にのんびり構えすぎていて、気が付いたら職がなかったということのないよう、現実を冷静に把握することは重要なことだ。「10年後に食える仕事食えない仕事」(出版:東洋経済新報社)は、これから就職活動をする学生のみならず、すでに長く働いている人にとっても、自分のキャリアを見直す良いきっかけとなる。
グローバル化の波によって、賃金水準の低い海外の労働力と競争しなくてはならない分野の仕事は、もはや日本国内から消えつつあるようだ。一度できてしまった流れは変えられない。その一方で、日本で生まれ育った人だけが共有できる日本人の強みを生かした仕事はなくならない。それどころか、ますます重要性は増すという。著者は、この分野の仕事を「ジャパンプレミアム」や「グローカル」と呼んでいる。
スキルタイプを「知識集約」と「技能集約」で、日本人としてのメリットを大小で表したマトリックス内に、既存の職業をおおまかに分類した57ページの図が分かりやすい。色分けもされているので、自分のキャリアがどこに当てはまるのか、また、危機感を持たなければいけないのはどの分野の仕事なのか、一目でつかむことができる。自分の立っている場所を知っておくのも悪くない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」