テキサス州オースティンで開催のSouth by Southwest(SXSW)を、その参加者たちの顔ぶれで親しまれているイベントとして考えてみよう。SXSWは映画、音楽、インタラクティブメディアのカンファレンスが混ざり合ったようなものだが、その上に大量のアルコールとバーベキューソースがかけられて、魅力的で優雅な1週間のフェスティバルという箱に手際よく詰め込まれている。それは、他に類を見ないコンピュータ好きの集いだ。
しかし、SXSWは、単なる予定どおりのパーティーやパネルディスカッション、カンファレンスセッションを超えたものであり、ここ数年は特にモバイルアプリの分野で、新興企業の成功へのきっかけとなる可能性を秘めたイベントと見なされている。広く話題になったSXSW 2007でのTwitterのローンチ、そして規模が劣るとはいえ、2009年にGowallaとfoursquareがTwitterの成功に続いたことを考えると、そう扱われるのも当然だろう。
そこで今回は、2012年のSXSWi(SXSWのインタラクティブ部門)の中から、われわれが特に刺激を受けたアプリ関連の話題を紹介する。
Robert Scoble氏はこのアプリについて仰々しい記事を執筆し、ベンチャーキャピタリストは奮い立っている。そして業界の有力者の多くは、位置情報を基に人々を発見するこのアプリを、モバイル分野における次の目玉だと既に高く評価している。Highlightは、ユーザーに対して、自分と似たつながりや興味を持つほかのユーザーが周囲にいることを通知するアプリだ。これにより、見知らぬ人と有意義なつながりを作ることがはるかに容易になる。このアイデアに気味の悪さを感じないのであれば、Highlightは間違いなく、外出時にセレンディピティを高めるための洗練された手段だ。最高経営責任者(CEO)であるPaul Davison氏の言葉を借りれば、このアプリは「自分の周辺の世界に関する第六感を提供する」という。
このアプリの機能はHighlightに似ているが、話題性ではわずかに劣っているようだ(本当にわずかな差だ)。おそらく、Glanceeのインターフェースの方が洗練されていないせいだろう。しかし、どう転ぶかは分からない。いずれにせよ、これらの人々を発見するアプリのうちSXSW 2012の人気者として浮上するはどれか(もしあるとすれば)すぐに知ることになるだろう。
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