Gawkerは米国時間3月9日、「Twitter's Secret History as the World's Worst Tech or Media Business」(世界最悪のテクノロジおよびメディア事業としてのTwitterの隠された歴史)と題された記事を掲載して、Twitterに襲いかかった。この記事では、近年のTwitterに詳しいとされる情報筋がリークした財務記録が暴露されており、執筆者のRyan Tate氏はこの記録について「期待を抱かせない」と評している。
しかし、Tate氏は同記事の終盤で、「Twitterの最初の5年間における笑いたくなるような財務実績は、何十年にもわたる壮大な富と名声、栄光の物語へとつながる、娯楽性に乏しい序章にすぎないのかもしれない」と認めている。
Twitterはまだ、企業としての良識を捨ててまで利益を追い求めなければならないほどの窮地に立たされているわけではない。Twitterは創業後の約6年間でおよそ7億5000万ドルを蓄えている。これは現時点ではどう使えば良いか分からないほどの金額だ。また、同社は世界中でユーザーを獲得し続けている。Twitterは革命やスキャンダル、政治において一定の役割を果たし、Google同様に、世界的に使われる動詞も生み出している。こうしたことのすべてが、大小さまざまな投資家たちの焦りを緩和している。
GoogleやFacebookなど、デジタルメディア分野のほかのあらゆる企業と同様、Twitterも広告を頼みにして利益を確保し、Facebookのような株式公開への動きを進めている。TwitterのSatya Patel氏は同社の広告について、「2011年は、われわれが広告の規模拡大に着手した年だった。2012年は、広告が強大な存在であることを証明する年だ」とBloomberg BusinessweekのBrad Stone氏に語った。
Twitterは基本的に大規模なマーケティングプラットフォームだ。そこでは、ツイートを投稿するすべてのユーザーがマーケッターで、すべてのフォロワーは訪問者であり、潜在的な再マーケティングの担当者となる。
Twitterの最高経営責任者(CEO)であるDick Costolo氏はStone氏に対して、同氏の事業戦略の中核にあるのは「プロモツイート」だと述べた。プロモツイートとは、ユーザーのフィードの一番上に表示される広告主のツイートのことである。ユーザーがプロモツイートをリツイートしたり、クリックしたりすると、料金が発生する。Twitterは、メインページの人気トピックリストの最上部に広告を1日間表示させたい広告主向けに、12万ドルのプランを用意している。
これは優れた広告事業になる可能性を秘めている。だが、それによって、TwitterがFacebookやGoogleと同水準の売上高を記録し、株主が期待するような利益を上げるまでになるだろうか。動画やバナー、その他Twitterの信念からは受け入れ難い要素でページが煩雑になるのを、同社は避けることができるだろうか。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス