Mozillaは、「Mozilla Marketplace」のドアを開放し、開発者からのアプリを受け付け始めた。アプリとやがて登場する「Boot to Gecko(B2G)」モバイルOSをより深いレベルで統合する地盤が整ったことになる。
同オープンソースプロジェクトは現地時間2月27日、バルセロナで開催中のMobile World Congress(MWC)でアプリストアへの提出の受け付けを開始した。Mozilla Marketplaceはさまざまなデスクトップや携帯電話、タブレットをまたいで、そして複数のプラットフォーム上で動作することを目指して設計されている。これは、人々が1企業のインターネット環境に囲い込まれることなくアプリを発見して使用できる「オープンなウェブアプリエコシステム」の提供を推進するという、同プロジェクトの「Mozilla Web Apps」プラットフォーム戦略の一環である。
Mozillaの最高技術責任者(CTO)で、JavaScriptの発明者でもあるBrendan Eich氏がZDNet UKに語ったところによると、この取り組みの一環として、Mozillaは特定のプラットフォーム向けネイティブアプリをホストするプロプライエタリなアプリストアを開設する代わりに、HTML5を使用し、さまざまなデバイス上で動作可能なアプリを扱うために同ストアを構築したという。
Eich氏によれば、同ストアのアプリはキュレーションの対象になるという。しかしMozillaは、いくらかのセキュリティ懸念を引き起こした「Android Market」の許容性の高さと、Appleの「iOS」アプリストアの比較的厳格な提出プロセスの間の曖昧な境界線を歩こうと試みると思われる。
Eich氏はMWCでのインタビューで、「われわれはコミュニティーキュレーションを好む。その狙いは、雇われた職員だけでなく、大規模なコミュニティーも参加するレビューとキュレーションを提供することだ。われわれが広範な規模と公平性、および透明性を維持できれば、それは上手く機能するとわたしは考えている」と述べた。
同氏は、「われわれが設ける制限は非常に少ない。もちろん、あなたは自分のアプリをすべてのストアで公開することができる。自分のウェブサイトへのリンクを張ることも可能だ」と付け加えた。
Eich氏によると、Mozillaはアプリストアでオープン性を確保することを目指しているが、ユーザーと開発者のために、そうした利便性の高さとセキュリティのバランスを取る必要性も認識している。
「(Appleの提出プロセスの)厳格さはセキュリティに寄与しているのだろうか。おそらくある程度は寄与しているだろう。しかし、それは巧妙に作られた意図的なマルウェアを検出する、かなり盲目的な方法によって行われている。しかし、その一方で、Androidにはより多くの落とし穴やセキュリティ問題があるようだ」(Eich氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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