中国の最新の偽Appleは、偽店舗や偽ハードウェアとは無関係だ。インスタントメッセージの署名に「iPhoneから送信」と入れる有料サービスがあるという。
筆者は、自分が送信するメールの署名に「iPadから送信」と表示すべきかで悩んだことがある。
自分の端末が「iPad」であることを人に知らせる必要はないと思う一方、オンスクリーンキーボードで不器用なタイプミスをどうしてもしてしまうことへの言い訳をしたいとも思っていた。
しかし、メッセージの最後に「iPadから送信」や「iPhoneから送信」を入れるという特権を得るためにお金を払う人がいるとは、考えもしなかった。
Financial Timesによれば、人気のある「QQ」のインスタントメッセージサービスを通して送信されるメッセージに「iPhoneから送信」という文言を入れるサービスがあり、それに月額約1ドルを払う中国人ユーザーがいるという。
この「iPhoneから送信」署名サービスは、ユーザーが持つQQのユーザー名とパスワードの提供が必要だという。
Financial Timesは、ある業者の広告が「iPhoneは高すぎる。そんなにお金をかけたくなければ、偽造しよう!」と言っていることを伝えている。
iPhoneは中国において、その価格により、iPhoneを持ちたいが買う余裕がない多くの人にとって、手が届かない存在となっている。この署名サービスは、お金をかけずに名声を得る手段である。
米国では、iPhoneユーザーがどこにでもいるので、このサービスにお金を払う人がいる理由を理解できないであろう。
これは、ニューヨークの路地で「Louis Vuitton」の財布を10ドルで手に入れることと非常によく似ている。つまり、お金を払わず体面を保ちたいということだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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